今回は、定植後のネギの凍害症状と、被覆中のトンネル内部の様子について取り上げてみようと思います。
冬場に定植するネギは黒腐菌核病や地域によってはネギネクロバネキノコバエなどの防除も重要となりますが、被覆のタイミングを逃してしまうと大霜や雪などに当たってダメージを受ける事がよくあります。
凍害を受けると作物自体の生育にも影響が出ますし、凍害を受けた痕から病気に感染・被害が拡大するといった影響も出やすくなりますので注意が必要です。
画像左は定植後にトンネルをかけた株。
画像右はトンネルをかけるタイミングを逃してしまった株。
どちらも同じ圃場の株です。
トンネルをかけた株も葉先枯れ等の症状は見られます。
ですが、凍害を受けた株から比べると生育がそろっていて色も濃いのが見てわかります。
↓は、別の圃場で被覆が遅れた株。
乾燥害も多少あると思いますが、全体が白っぽくなります。
完全枯死でなければ遅れて成長はしていきますが、致命的になってしまう場合も有りますので被覆のタイミングは重要です。
ちなみに1枚目画像のトンネル内のネギの様子はこんな感じ↓
1月初旬の株の様子です。
外葉の葉先枯れは多少ありますが、新葉の葉先枯れは有りません。
先に記載した通り、生育はそろっており被覆無し株と比べると色が濃いです。
ですが、アザミウマによるかすり状の食害痕が目立ちます。
ネギアザミウマは休眠しない害虫です。
暖地では幼虫状態で越冬したりもしますが、成虫は植物上で越冬します。
ですので、温度条件によっては冬場でも活動し、ネギを食害します。
ネギ栽培の盛んな地域は、定植後のトンネルをあけて黒腐菌核病対策薬剤を流し込むといった事を行いますが、その際に殺虫剤などを入れる場合も有ります。
生育初期の内に害虫の被害を受けるのはあまりよろしくないので、定植時にベリマークSCやジュリボフロアブル等のセル苗灌注剤、あるいはミネクトデュオ粒剤等の処理はマストです。
処理しておくと、おおむね3週間前後は効果が持続します。
ネギアザミウマはウイルス性病害を媒介する虫としても有名なので(代表的なのは「えそ条班病」)、病害対策だけでなく害虫対策も気を付けるに越したことは有りません。
ネギのえそ条斑病については、埼玉県や京都府などが見やすい資料を提供しています。
インターネット上でも見る事ができますので関心があれば検索してみて下さい。
●ネギアザミウマについての過去記事
●ネギ黒腐菌核病についての過去記事
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