ネギアザミウマを多発させない為のオススメ殺虫剤特集

ネギを加害する害虫の代表格、ネギアザミウマ。
生産現場では「スリップス」とも呼ばれます。

このページでは、ネギアザミウマについての生態や加害の仕方についてと、防除対策薬剤について紹介していきます。


スポンサーリンク
Amazon:ネギ 農薬 検索
Amazon:展着剤 検索



ネギアザミウマとはこんな害虫です。

ネギアザミウマは、10℃ちょっとの気温があればわき始める害虫で、温度が25℃以上になると卵から成虫になるまでの日数は、おおむね16日前後とかなり生育スピードが速まる特徴があります。

ネギアザミウマは、主にユリ科の作物を好んで寄生する傾向にありますが、関東圏、例えば茨城県や埼玉県あたりでは秋口のキャベツに寄生し加害するといった実例もありますので、アブラナ科野菜を生産されている方も一応ご注意下さい。

近年の農薬は、チョウ目害虫だけでなく、アブラムシやアザミウマに効果のある薬剤も発売されておりますので、そういった薬剤をローテーションに組み込む事をおすすめします。

少し脱線しましたが、ネギアザミウマは、主に春と秋に最も発生が増加する害虫です。

人間が過ごしやすいと感じる温度帯であればアザミウマも発生していると考えて下さい。
人間がしんどいと感じる7月~8月にかけての真夏の猛暑下では、アザミウマの発生も下がる傾向にあります(居なくなるわけでは無いので注意)。

また、1匹の雌成虫が産む卵の数は、70個程度とされており、産卵数はかなりの量です。

成虫は葉上で越冬し、休眠しません。
近くに作物があって気温の条件さえ合えばいつまでの発生と加害を繰り返します。

故にネギ栽培の現場において、ローテーション薬剤の中には必ずアザミウマにも効果のある薬剤を用いるのが鉄則とされています。


ネギアザミウマの食害について

成虫は、わずか2mm程度大きさの害虫ですが、先にあげたように1匹の雌成虫が産む卵が多い事もあって、大抵1本のネギに複数のネギアザミウマが寄生し加害します。
その為、少しでも放置してしまうと加害面積があっという間に広がってしまうのです。

アザミウマが食害した(なめた)痕は、白っぽく「かすり状」になります。
近年はハモグリバエの被害で真っ白という現場も多いですが、消毒が抜けた畑のネギを見ると、アザミウマの加害で真っ白なんて事もよく見かけます。



ハモグリバエの食害痕は「絵描き痕」で判別できるので、それとは見た目が異なりますので、アザミウマ被害は判断しやすいです。



ネギアザミウマのウイルス媒介について

ネギアザミウマは、葉を食害するだけでなく、ウイルス病を媒介する害虫としても有名です。

ネギアザミウマ加害によるウイルス病としては、ネギえそ条斑病(アイリススポットイエローウィルス(IYSV))があります。



ネギアザミウマに効果のある殺虫剤について

基本的には、ネギハモグリバエ対策薬剤と被る傾向にありますが、薬剤名と特徴についても明記しておきます。
詳細については、お近くのJAまたは小売店などにお問い合わせ下さい。

アグリメック(乳剤)

劇物登録の殺虫剤です。
アファーム乳剤のベースであるアバメクチンという成分で害虫をたたきます。
ネギアザミウマにたいしては、500倍推奨です。
植物体内に成分が入り込み(浸達性)、食毒と接触毒の両方の性質を持ちます。
生産現場では混用薬剤としてローテーションで活用されている傾向にあります。

コルト顆粒水和剤

商品規格は、100g、250g、500gの3規格があり、2000倍希釈の製剤です。
アブラムシとコナジラミに対して高い効果があり、IBR(行動抑制作用を有する)薬剤です。
薬剤を吸収した害虫は、しばらく動き回り、全てではありませんが作物から離れて死んでいく特徴があります。

スピノエース顆粒水和剤

スピノシン系の殺虫剤で、チョウ目害虫、アザミウマ、ハモグリバエなどにも効果があります。
有機農産物の日本農林規格である有機JAS規格にも該当している殺虫剤です。
食毒と接触毒の両方の特徴を持ちます。

ディアナSC

スピノエースと同じ薬剤系統で、スピノエースの成分を科学的に合成して作った薬剤になります。
その為、害虫のスペクトラムとしてはスピノエースに類似します。
製剤の特徴として、チョウ目害虫に対して素早かな食害抑制効果を発揮する特徴を有します。

ベネビアOD

オイルベースの製剤で、チョウ目、アブラムシ、アザミウマ、ハモグリバエ等に効果を有するオールマイティー型の殺虫剤です。
薬剤系統は、フェニックスやプレバソンと同じジアミド系薬剤。
製剤の特徴としては、葉面浸透性と局所的な移行性がありますので、葉の表皮に潜り込んでしまうハモグリバエ等の害虫に対しても有効な薬剤です。

ベリマークSC

ベネビアODと同じ系統の殺虫剤で、育苗中(苗時期)と定植後の生育期の2パターンで使用できます。
使い方は灌注です。
成分は根から吸収され、長期間害虫を防除します。
メーカーのデータ上は4週間ほどの残効があるとされておりますが、薬効が薄まって害虫に加害されるのを懸念して、生産現場ではおおむね散布後2週間くらい経ったら次の殺虫剤散布に入ります。
この薬剤は非常に安全性が高く、薬害リスクが低いといった特徴もあります。

ハチハチ乳剤

劇物登録の殺虫剤です。
ネギハモグリバエに対しては弱いですが、アブラムシに対しては結構効果の高い薬剤で、アザミウマやネギコガ等の小型害虫に対しても効果があります。
予防効果ですが殺菌剤としての特徴もあり、発生前であれば、さび病やべと病に対しても抑制する効果があります。
また、ナメクジ類に対しても(どちらかというと忌避的な作用ですが)効果がありますので、梅雨時や長雨続きの合間、前後で用いると作物を健全な状態でキープさせるのに役立ちます。
難点としては、結構なにおいがありますので、住宅地が近い圃場だと臭くて使いにくいかもしれません。
100ml規格もありますので、家庭菜園の方にもお勧めです。

プレオフロアブル

1000倍希釈で収穫3日前まで使える殺虫剤。
登録はシロイチモジヨトウとネギアザミウマで登録を取っておりますが、ハモグリバエ類にも別作物で登録を取っています。
チョウ目に対しては、どちらかというと大型よりは小型の方が得意かな?という殺虫剤です。
単発で使うよりは、ローテーションの混用剤として活用するにはお勧めだと思います。
家庭菜園の方は、100ml規格もありますので、500mlボトルは使いにくいという方にもお勧めできます。

アルバリン顆粒水溶剤

ダントツやベストガード、モスピランなどもネギ登録がありますが、アルバリンを含め、全て同じ薬剤系統です(ネオニコチノイド系)。
埼玉県を中心に超要注意害虫に認定されているネギネクロバネキノコバエにも効果があるとされている殺虫剤で、灌注と散布の両方で使われている薬剤です。
大型チョウ目害虫には効果は期待できませんが、小型害虫を得意とします。
浸透移行性のある薬剤です。

リーフガード顆粒水和剤

劇物登録の殺虫剤です。
ネギハモグリバエにも効果の高い薬剤ですが、アザミウマ類やアブラムシ類に対しても効果のある薬剤です。
忌避的ですがナメクジ類に対しても防除効果があります。
また、チョウ目害虫にいたっては、アブラナ科野菜の問題害虫であるコナガの卵~成虫までをたたける薬剤です。
長野県等の葉物産地では、コナガの殺成虫目的の使用も行われており、副次的ではありますが、大型長目の卵、成虫にも効果があるのではないか?と言われています(大型チョウ目の幼虫には効きません)。
ジアミド系薬剤との相性が良く、混用剤としてもおすすめです。
ネギ栽培の定番品目です。

兼商ヨーバルフロアブル

移行性もあるジアミド系の殺虫剤。
2500倍使用でおおむねベネビア並みの効果とされています。
チョウ目だけでなく、ハモグリバエにも高い効果のある殺虫剤です。
ヨーバルフロアブルについては別記事でも紹介しています。



展着剤の利用や気門封鎖系の殺虫剤の利用もアザミウマ類の防除には有効とされています。

農薬を散布するに当たり、薬剤が作物体に十分付着していないと、防除の取りこぼしが出ます。
生き延びた害虫がいずれ薬剤耐性を持ってしまうケースもあります。
ですので、作物体にしっかり薬剤が広がるように展着剤を用いる事をお勧め致します。
製剤によっては展着成分の強い薬剤もありますので、全ての場面で展着剤を可溶しろというわけではありませんが、害虫対策、病害対策とで展着剤を使い分けたり、ここぞというタイミングで展着剤を用いる事は、防除効果を上げる意味でも重要です。

殺虫剤の防除効果を高めるスカッシュ、殺菌剤との相性を重視するなら機能性展着剤のドライバー、作物体内に殺菌剤成分を入れ込むアプローチBI、作物体にベッタリとくっつける固着系の展着剤KKステッカー、汚れ軽減や広がり重視のまくぴかブレイクスルーなど、展着剤の種類や用途は様々です。
泡立ちが激しい物もあれば泡立たない展着剤もあります。
いつもの展着剤を見直してみてはいかがでしょうか??

その他に、害虫が呼吸する為の気門をふさぐ事で窒息死させる殺虫剤が有ります。
アザミウマ類の防除には、油系の気門封鎖剤とアザミウマ(アブラムシも含む)登録薬剤との混用を行う事で、相乗効果を狙った防除手法があります。

代表的な薬剤としては、サンクリスタル乳剤サフオイル乳剤です。
これらはアザミウマ類の登録は持っていませんので、単剤ではアザミウマに対する活性は十分でないとされています。

ただ、サンクリスタル乳剤などは、単剤ではアザミウマに対する効果が落ちているような薬剤でも、混用する事で相乗効果が発生し防除効果が上がるというデータを持っています。

デメリットとしては、原料に油を用いている事から、油浸斑という油染みを生じてしまうリスクが有る事です。
基本的に高温条件下での散布を行わなければこのような薬害が生じる事は少ないのですが、作物との相性も有りますので、詳細を知りたいという方は、メーカー又はお近くのJAや小売店にお問い合わせ下さい。
また、これらの製剤自体が作物体に付着しやすい特徴がある事から、殺菌剤との相性が悪いケースもあります。

基本的に各メーカーは農薬を世に出すに当たり、登録作物に対して単剤で使った時の安全性は保障していますが、混用は勧めておりませんし、混用によるトラブルは保証していません。
しかしながら、最低限の混用事例などをとっている事が多いので、関心のある方は、お近くのJAや小売店を利用して最新の情報を引っ張って頂ければと思います。

スポンサーリンク
Amazon:ネギ 農薬 検索
Amazon:展着剤 検索



まとめ

ネギアザミウマは食害被害とウイルス媒介と2つの被害を出す害虫です。

産卵数も多く行動範囲も広いので、防除が抜けてしまうとあっという間に加害が広がって商品価値を落としてしまいます。

ですので、アザミウマの防除はネギハモグリバエと同様に、徹底的に、定期的に行う事が重要です。

アザミウマに登録のある殺虫剤は多々ありますので、上手にローテーションを散布をして下さい。
展着剤の可溶や気門封鎖系の薬剤を用いるのも有効です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*