今回の内容は、一般家庭菜園向けの内容となります。
日頃から私の周りで話にあがる事が多い内容で、個人的にも興味がありました。
ダイソーの種子シリーズはラインアップが色々あって、入口近くに設置されている事も多いのでついつい目にとまります。
一般家庭の方は結構買われているのではないか?と思います。
専業栽培向けの種子と比べてしまうと、品質も違いますし、種子容量も異なります。
品種も一般的に作りやすいであろう物を選択しており、現行品や流行りの物ではありません。
コスト面で考えると、1粒当たりの価格帯としては割高です。
ですが、自分で消費する食い量程度のレベルで考えると、100円で購入できる種子容量(1袋に入っている量)としては十分だったりします。
「見せてもらおうか ダイソー種子の実力とやらを………」
という感じで、今回は定番のキャベツとブロッコリーについて検証してみる事にしました。
種子の播き方については個人差があると思いますので、「やり方が違うぞ!」という内容も含んでしまうかもしれませんが、それはご愛敬という事で。
今回は家庭菜園の方が手軽に始められるような内容で紹介していこうと思います。
目次
ダイソー種子のパッケージ内容はこんな感じ。
今回はこの2つを使いました。
どちらも2袋で本体価格100円です。
キャベツの品種は「富士早生」
秋播きで翌春早くに収穫できる早生タイプのキャベツです。
ごくごく一般的な品種かと思います。
内容量は1.5mlで発芽率は75%以上となっています。
発芽適温は20℃~30℃。
関東エリアの播き時目安としては、9月中旬~10月下旬となっており、収穫時期の目安としては、翌年5月上旬~6月下旬となっています。
パッケージに記載されている種まき方法としては、連結ポットに種を2~3粒ずつ播く事が推奨されています。
ブロッコリーの品種は「サリナスアーリー」
脇芽まで取れるようなタイプではありませんが、こちらも作りやすい品種とされています。
内容量は0.3mlで発芽率は75%以上となっています。
発芽適温は15℃~30℃。
関東エリアの播き時期目安としては、7月下旬~9月上旬となっており、収穫時期の目安としては、10月中旬~12月上旬となっています。
パッケージに記載されている種まき方法としては、3号ポットに種を2~3粒ずつ播く事が推奨されています。
どちらの種子も種子消毒剤を利用したという明記は有りません。
今回は、この2品種に対して、49穴の連結ポットを使って種を播いてみました。
49穴ポットはホームセンター等でも手軽に買えますし、128穴や200穴タイプのセルトレイより土の量は多く入ります。
食い量として種まきするにはちょうど良いサイズだと思います。
家庭菜園向けの秋播き用培土について
今回はチッソ150、リン酸350、加里210、pH6.0±0.5の培土を使いました。
特にこの培土が良いですよ!という紹介では有りません。
今回は、一般家庭菜園の方がホームセンター等の量販店で手軽に入手できるような物を使ってみる事にしました。
秋播き・葉物野菜の窒素150は定番だと思います。
培土は、画像の物以外にもいくつか種類が有ります。
種まき用培土は、トレイに合わせた物を購入しましょう。
パッケージに「セルトレイ用」等と書いてあります。
トレイの穴(土が入るスペース)が小さい場合は、セルトレイやペーパーポット向けの培土を用いると良いです(内容物が粗い物より細かい物の方が良いです)。
個人的な意見ですが、量販店等で培土を購入する場合は、過度に安い物は避けた方が良いと思います。
園芸培土も色々有りますが、トレイ用途に合わせた種まき用の培土を選ぶようにして下さい。
NPK(窒素・リン酸・加里)やpH等が同じ表記であったとしても、粗悪品の場合は吸水が悪かったり、雑草種子が混じっていたり、コケが生えやすかったりetc………といったデメリットも有ります。
量販店に売っている物でも問題なく使えますが、心配だという方は種苗店さんやJA等で購入されると良いでしょう。
仮に生産者さんの失敗であったとしても、培土の性にしたがる方が稀にいらっしゃいます。
種苗店さんが勧める培土は、基本的にクレームが出にくい(それなりに実績を確認している)物になりますのでお勧めできます。
販売店の方に聞けば、その時期に播く品種、播き方、培土の使い方等も確認できると思います。
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実際にダイソー種子を播いてみる
種まき前の準備ですが、購入してきた培土をそのまま土に詰めれば良いというわけではありません。
培土の袋を開いた時に水分を含んでいるように見える事が有りますが、水分量としては全く足りません。
ドブ漬け吸水する方もいるかもしれませんが、吸水された水分量がわかりにくいので、私の場合はバケツやタライ等に培土を移して水を加えてよく練り込みます。
培土全体、均一に水分が吸収されるようにしてやると、比重が出ますので、トレイにしっかり土を入れる事ができます。
練り込んだ土をギュっと手で握った時に団子ができるくらいの水分量がベストです。
実際に土を入れた様子。
持ち運ぶ際に便利なので、育苗箱を用いると色々便利です。
家庭菜園の場合、種まきに専用器具は必要ありません。
指でくぼみを作って、そこに種を落としていきます。
先に紹介したパッケージの説明書きを参考に、2粒ずつ播きました。
ちゃんとしたメーカーさんの商品であれば病害対策として種子消毒を施されていますので色がついていたりしますが、ダイソー品は無処理の為、真っ黒な種子をしています。
こういった所も100円で売るというコストを抑えるポイントなのだと思います。
播き終わったら残った培土を軽くかぶせて覆土します。
種をまく穴の深さは、あまり深くしない方が良いです。
画像は概ね1㎝あるか無いくらい。
今回はこんな感じで種まきをしてます。
49穴のトレイを2つ使っています。
左のオレンジ枠はキャベツ。
2粒ずつ播いても、もう1トレイくらい種が播けそうなくらいの量が残ります。
一方で、ブロッコリーの方は黄色枠部分。
2粒ずつまくと、このくらいの量しか播けません。
残った部分にはサカタのタネの富士早生「秋まき春取りキャベツ」の種を2粒ずつ播いてみました。
ダイソー種子とは異なり、チウラムとイプロジオンを1回ずつ使用しているという記載が有ります(種子消毒剤を使用している)。
サカタの方は、2月~3月、7月~8月、10月~11月といった播き時となっています。
発芽適温は15℃~30℃、生育適温は15℃~20℃。
発芽までの目安は3~6日となっています。
容量は2ml、発芽率は80%以上という記載となっています。
ダイソーの早生富士が発芽適温20℃~30℃で75%以上となっています。
ダイソー品よりも高い発芽率となっていますが、種まきした日は8月15日。
日中の気温は34℃以上。
しばらく30℃以上の日が続いていましたので、発芽適温と生育適温のどちらから見ても酷な状況となります。
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発芽の結果について
少し時間は経ってしまいましたが、画像は8月23日時点の物です。
キャベツ区もブロッコリー区も見事に発芽しました。
左:ダイソーキャベツ区、右:他社キャベツ区
今回はダイソー種子の方が発芽率が良いのではないかな…という感じ。
ブロッコリー区もしっかり2粒分発芽している個所が多く、ダイソー種子はどちらも1粒播きで十分だったかなという印章でした。
酷な状況下ですが、それでもしっかり発芽してくれる事がわかりました。
キャベツについては袋に入った全量を播いたわけではありませんが、播いた部分に関しては9割以上の発芽率でした。
「意外とやりおるな……」という感じです。
耐暑性や耐寒性、耐病性については何ともわかりませんが、初期苗でダメにしない限りは生育期中に農薬で対処ができますので、これだけしっかり発芽すれば十分評価対象でしょう。
まとめ
という事で、今回はダイソー種子の発芽率について検証してみました。
今回は発芽の検証ですので、育苗中の状況については触れておりません。
今後もチェックしていこうと思います。
ちなみに本記事で「培土に水を含ませる」という紹介をしましたが、水分を練り込まずに播種・覆土してから水をやった場合は、ひどい場合はこのような状態になる場合が有ります。
こちらはダイソー種子では無いメーカー品の種子ですが雲泥の差ですね。
上記に限らず、発芽がまばらになってしまう原因にはいくつか有ります。
例えば、種まき深度が深すぎる、あるいは浅すぎる。
種まき後に直射日光を当てすぎてしまっている。
培土が乾燥しすぎている。
培土に水をやりすぎている。
水やりのタイミングが悪い(高温にさらされてしまって湯だった)
etc…
何ごとも丁寧な下準備とタイミングが大切………という事で今回は締めたいと思います。
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