新規殺虫剤・ブロフレアSCが登録取得。製剤についての特徴や使いどころについて考察します。

※当記事は2021年3月に更新しています。

2020年9月14日、三井化学アグロ㈱の新規殺虫剤「ブロフレアSC」が遅れに遅れ登録取得となり、2021年3月に発売となりました。

本来は日産グレーシア乳剤より先に発売する予定だったブロフレアSCですが、ずいぶん時間を要してしまいました。
その分、小売価格としては思っていたよりは安かったなという感じです。
価格などについてはお近くの販売店でご確認下さい。

ボトル規格・ケース入り目は、500ml×20本、250ml×20本となります。


このページでは新規殺虫剤のブロフレアSCについて取り上げてみようと思います。
製剤スペックはとても高い薬剤だと思いますので、ぜひ使ってみてはいかがでしょうか?



ブロフレアSCの主成分、商標、対象害虫について

ブロフレアSCは、ブロフラニリドという主成分を5.0%含有する殺虫剤となります。

有効成分であるブロフラニリドは、「テネベナール」という商標をとっています。

近年はジェネリック対策で商標を付けるメーカーさんが多いですね。

例えばトランスフォームフロアブルの有効成分「スルホキサフロル」は「イソクラスト」なんて呼ばれていたり、ベリマークSC等の有効成分「シアントラニリプロール」は「サイアジピル」という通称で呼ばれていたりします。
水稲除草剤分野では除草剤成分の「メタゾスルフロン」が「アルテア」なんて呼ばれていたり。

挙げれば他にもいくつかありますが、ブロフレアSCの有効成分は「テネベナール」と呼ばれるようです。

得意とする害虫は、チョウ目とハムシだそうで、各県や地域で問題となっているコナガやシロイチモジヨトウ等の抵抗性害虫に対しても有効とされています。

効果としては接触毒も認められていますが、主に食毒で作用します。


ハムシに対しては成虫に対する効果となりますが、成虫密度が減れば土中の幼虫被害も少なくなりますので、有効な剤が増えるというのは良いですね。
ブロフレアSCは、キスジノミハムシやダイコンサルハムシ、カブラハバチにも効果があるとの事です。
だいこんやハクサイ、非結球アブラナ科葉菜類を栽培されている方には魅力的な薬剤だと思います。



ブロフレアSCはIRACグループ30の新規殺虫剤

ブロフレアSCは、害虫の「GABA(ギャバ)受容体」に作用する事で殺虫する薬剤です。
簡単に言うと、神経に作用する事で殺虫します。

専門用語を用いると、「主要グループと1次作用部位」としては、「GABA作動性塩素イオンアロステリックモジュレーター」というくくりになっており、IRACグループとしては30に該当します。

主成分のブロフラニリドがGABA受容体に付くと、GABA受容体が堅くなって神経伝達物質が通りにくくなります。
人間でいう所の「動脈硬化」に例えられる事も有りますが、神経伝達が正しく行われなる為、害虫は興奮を鎮める事が出来なくなり殺虫効果が発揮されます。


このグループの特徴としては、体液を激しく吐き出しながらビクンビクンと痙攣をおこしながら死ぬといった特徴が有ります。

↓ハスモンヨトウ 水で濡れたような部分が体液。



神経に作用する殺虫剤としては、「GABA作動性塩素イオンチャネルブロッカー」であるIRACグループ2Bのエチプロール(キラップ)やフィプロニル(プリンス)がありますが、こちらはGABA受容体の神経伝達物質が通る部分を詰まらせるといった作用で殺虫するタイプのグループです。
人間で言う所の「血栓」に例えられたりします。


同じ神経系に作用する殺虫剤でもアタックの仕方が異なるというのが面白いですね。



IRACグループ30でも薬剤系統は異なります。

数年後、他社メーカーからもIRACグループ30に該当する薬剤は出てくる予定はあるようですが、2021年現在、IRACグループ30「GABA作動性塩素イオンアロステリックモジュレーター」に該当する薬剤は、ブロフレアSCとグレーシア乳剤の2剤です。

しかしながらこの2剤は化合物骨格が異なる為、薬剤系統も異なるといった特徴が有ります。

●ブロフレアSC(成分:ブロフラニリド)→メタジアミド系
●グレーシア乳剤(成分:フルキサメタミド)→イソオキサゾリン系

ジアミド系??という部分でビビビッと来る方もいらっしゃるかと思いますが、フェニックスやプレバソン、ベネビア、ヨーバル等といった「ジアミド系」とは異なります。

これらのジアミド系は筋肉に作用するグループ(IRAC28グループ)に該当する為、アタックポイントが全く異なります。


話を戻しますが、ブロフレアSCは、同じIRACグループ30でもグレーシア乳剤と全く同じというわけではありませんので、生産現場では使い分けされる場面も出てくるのではないかな?と思います。

但し、使用する場合はアタックポイントが同じですので、グレーシア乳剤からのブロフレアSC(あるいはその逆)といった同じグループでの連用散布は避けましょう。



ブロフレアSCの初期登録ラベルについて

2020年9月現在の登録内容です。

以下の作物において、希釈倍数は2000~4000倍。
使用液量は100~300L/10aで、使用回数は3回以内です。
使用時期は、「きく」のみ発生初期、きく以外は「収穫前日まで」という登録内容となっています。


●キャベツ
【適用害虫名】
コナガ・アオムシ・ハスモンヨトウ・ヨトウムシ・オオタバコガ・ウワバ類・ハイマダラノメイガ

●はくさい
【適用害虫名】
コナガ・アオムシ・ハスモンヨトウ・ヨトウムシ・オオタバコガ・ハイマダラノメイガ

●だいこん
【適用害虫名】
コナガ・ヨトウムシ・ハイマダラノメイガ・キスジノミハムシ・カブラハバチ・アオムシ

●かぶ
【適用害虫名】
コナガ

●ブロッコリー
【適用害虫名】
コナガ・アオムシ・ハスモンヨトウ・ヨトウムシ・オオタバコガ

●カリフラワー
【適用害虫名】
コナガ・アオムシ

●非結球アブラナ科葉菜類
【適用害虫名】
コナガ・アオムシ・キスジノミハムシ

●レタス・非結球レタス
【適用害虫名】
ハスモンヨトウ・ヨトウムシ・オオタバコガ・ウワバ類

●ねぎ
【適用害虫名】
ネギコガ・シロイチモジヨトウ

●えだまめ
【適用害虫名】
ハスモンヨトウ・オオタバコガ

●かんしょ
【適用害虫名】
ハスモンヨトウ・ナガジロシタバ

●きく
【適用害虫名】
ハスモンヨトウ・オオタバコガ


よく質問を受ける事があるのですが、このブロフレアSCのように、キャベツにはウワバ類の登録が有るのに、はくさいには登録がないというような場合が有ります。

この場合、はくさいにつくウワバ類にもしっかり効果はあります(同じ種類の虫なので)。
大抵は農薬登録を取得する都合による物ですので、場合によっては後から登録を取得する事もあります。
仮に登録表記が無かったとしても、他の作物で登録を取っていればOKです。


ブロフレアSCの登録ラベルの話に戻しますが、今回のブロフレアSCの登録ラベルを見ると、グレーシア乳剤では登録の有るハダニ類、アザミウマ類、ハモグリバエ類等の登録は有りません。

ブロフレアSCの技術資料内では、ネギハモグリバエに対する活性は〇、ネギアザミウマに対する活性は×となっています。
ネギハモグリバエについては、適用拡大の予定はあるようです。

ネギアザミウマに効かないという所については、グレーシアより見劣りしてしまう所ですね。

加えて、ブロフレアSCの果菜類に対する適用拡大の予定は無いそうです。
ハチや一部の天敵に対して影響が出てしまう事がわかっています。

登録内容やターゲットによっては、グレーシア乳剤とブロフレアSCとの差別化が図られると思います。



ブロフレアSCの殺卵活性の有無について

ブロフレアCSには、直接的な殺卵活性は有りません。

しかしながらブロフレアSCは、残効が長く耐雨性も高い薬剤である為、直接的な殺卵作用が無くても2日後には孵化幼虫の生存率はゼロになるというデータが有ります。

グレーシア乳剤やフェニックス剤等も水溶解度が低い為、耐雨性が高い薬剤です。
ブロフレア並みでは無いかもしれませんが、薬効があるうちは同じような作用は有ります。

ただし、これらの薬剤は移行性はありませんので、卵に直接薬剤がかかっている(食い破る時に死ぬ)、もしくは薬剤がかかった葉を食害してくれれば効果はありますが、薬剤がかかっていない部分については無防備となります。

ですのでブロフレアSCの圃場レベルにおいての考察としては、生育が進んでいる時期(新葉展開時期)は、薬液がかかっていない葉に産卵される可能性もある為、薬液がかかった葉に移動して食べれば死ぬと思いますが、そうではない場合、2日以降でも孵化した幼虫が動き回っているというケースは有り得ます。

メーカーさんの試験データは、薬液がかかっている事が前提となりますので、実際の圃場では散布のタイミングや回数が重要となってくるでしょう。



ブロフレアSCの浸達性・移行性・温度条件・安全性について

ブロフレアSCの技術資料を見ると「浸達性が確認されている」という表記があります。

キャベツの葉表にだけ薬液を散布して乾かした後、葉表と葉裏にコナガの幼虫を置いて食わせた際の死虫率効果データが掲載されています。

これによると葉表が100%、葉裏が90%くらいの死虫率となっています。
しかしながら技術資料の方には「散布ムラが無いよう、葉裏まで丁寧な散布を心がけて下さい」という記載があります。

この文言をあえて悪い印象としてとらえて考えた場合、ブロフレアSCは浸達性はあるものの、決して強いわけではないとも取れます。
葉裏90%程度の死虫率というのは良い試験結果を引っ張っているだけという考え方もできますので、あまり期待せずにしっかり葉裏まで薬剤処理をした方が良いでしょう。

ちなみにブロフレアSCは移行性は期待できません。

基本的に薬剤がかかった所のみ効果を発揮します。


温度条件については、低温下でも効果変動は無く、安定した効果を発揮する事がわかっています。
農薬の場合、高温時ほど効きやすい(薬害が起こりやすい)という話はよく聞く話ですが、一方で低温条件下になると効果がブレるというケースも良くあります。
低温下でも効果がブレにくいというのは、冬から春先にかけても安心して使えるという事なので使い勝手が良いと感じる所です。


余談ですが、グレーシア乳剤は移行性は押していませんが、浸達性は押しています。
メーカー製品HP等でも表記されていますね。

メーカーさんの宣伝の仕方は色々ですが、IRAC30グループの薬剤の特徴としては移行性が期待できない点においては、似ている所なのだと思います。

ちなみに、ジアミド系薬剤の代表格である「フェニックス」も強くは無いですが浸達性が確認されています。
殺虫剤の場合、耐雨性の高い薬剤ほど浸達性が弱く、移行性がないのかもしれませんね。


ブロフレアSCは、非常に安全性の高い薬剤となっています。
誤って高倍率で散布してしまったとしても薬害症状は起こりにくいといった特徴が有ります。

安全性が高いからと言って、安全性の高さと残留はリンクしませんので、登録外使用や過剰な高倍率処理はしないようにしましょう。




ブロフレアSCの耐雨性・残効日数について

ブロフレアSCは水溶解度が低い殺虫剤である為、降雨による影響をとても受けにくい製剤となっています。

散布30分後~4時間後の人工降雨試験においても殺虫力のブレはほとんど見られないようです。

紫外線分解の有無までは何ともわかりかねますが、「耐雨性が高い=薬液が長期間葉に留まる」という事になりますので、天候による影響を受けにくいとも言えます。

ブロフレアSCの残効については、3週間の残効性をうたっています。

コナガ3齢、ハスモンヨトウ3齢に対して、薬液がかかった葉を食わせるという試験で3週間後でも効果があるというデータを取っています。
圃場レベルでは散布のやり方(丁寧か否か)、タイミングによってもブレが出ると思いますが、メーカーさんの圃場試験においても2週間以上の残効はありそうなので、長期残効かつ前日まで使えるというのは生産者にとっては魅力的だと思います。

同じグループのグレーシア乳剤は2週間の残効をうたっていますが、圃場評価としては2週間しっかり効いているというイメージが無いだけに、3週間の残効性というのは魅力的です。



ブロフレアSCの殺虫スペクトラムについて

以下、製品技術資料に記載されている内容です。

スペクトラムについての表記なので、製品登録の無い物も含みます。
〇に関しては効果が高い事を示し、△については効果は有るが実用性が低い物を指します。

■チョウ目に対する殺虫活性
コナガ:〇
ハスモンヨトウ:〇
シロイチモジヨトウ:〇
アオムシ:〇
オオタバコガ:〇
カブラヤガ:〇
イラクサギンウワバ:〇
ハイマダラノメイガ:〇
ナカジロシタバ:〇
チャノコカクモンハマキ:〇

■コウチュウ目に対する殺虫活性
キスジノミハムシ:〇
ダイコンサルハムシ:〇

■ハチ目に対する殺虫活性
カブラハバチ:〇

■アザミウマ目に対する殺虫活性
チャノキイロアザミウマ:△
ミナミキイロアザミウマ:△
イラズハナアザミウマ:△
ミカンキイロアザミウマ:×
ネギアザミウマ:×

■カメムシ目に対する殺虫活性
モモアカアブラムシ:×
ワタアブラムシ:×
フジコナカイガラムシ:△
チャノミドリヒメヨコバイ:〇
タバココナジラミ バイオタイプQ:×
ダバココナジラミ バイオタイプB:×

■ハエ目に対する殺虫活性
ネギハモグリバエ:〇
ナモグリバエ:△

■ダニ目に対する殺虫活性
チャノナガサビダニ:△
ミカンサビダニ:×
ナミハダニ(卵):×
ナミハダニ(成虫):×



ブロフレアSCの使いどころや使い方についての考察

今の所、関東では大型葉菜類においては、コナガ以外の抵抗性チョウ目害虫についてはまだ目立っていないと思いますが、生産現場ではいくらかそういった特定の虫に対してブレが出ている、残ってしまうといった話も出ている節が有ります。

関西方面や九州方面ではコナガだけでなくヨトウやシロイチモジヨトウ等の薬剤抵抗性害虫の話がありますね。
近いうちに関東でもコナガ以上に注意が必要になるかもしれません。


ブロフレアSCは薬剤系統もこれまでの物とは異なりますので、これらの害虫に対して非常に有効な製剤となると思います。


同じIRAC30グループで先行販売しているグレーシア乳剤も非常に良い薬ですが、特にウワバやタバコガ等といった一部の害虫に対しての効果や安定感については、圃場レベルだと厳しい、またはちょっと足りないかな…と思われる場面もあるようです。
ここだけを対比してしまうと「じゃぁブロフレアで!」となりがちですが、スペック的にはグレーシア乳剤も大型チョウ目にもよく効く内容となっていますし、実際ヨトウムシ類に対してはよく効いている印象です。
※シロイチモジヨトウについては害虫の特性上、早いタイミングでの使用を促しています。

グレーシア乳剤はアブラナ科葉類においては、ここ最近は「コナガ専用剤」として定着してきている印章がありますね。

グレーシア乳剤が効かない・ブレるという人の多くは、散布タイミングのズレや散布ムラ等が主な原因になっているのではないか?と思います。
害虫の幼齢によっては間に合わない場合もあるでしょう。
特に飛び込んでくる虫、中に入ってしまう虫、具体的にはオオタバコガやシロイチモジヨトウ等は、たたくタイミングが間に合わないと中に食い込まれてしまいます。

また、紫外線が強い時期ですと、紫外線分解による残効の変動等も原因になっているかもしれません。
2週間の残効をうたっていても、生産現場でメーカーさんの思う通りの使い方をしていない場合も有りますし、感覚的に2週間は無いと思われてしまう場面も多々あるでしょう。


ブロフレアSCについても、先に挙げたように浸達性(高い評価が期待できない点)や移行性が期待できない薬剤ですので、グレーシアと同じ様な事が言えます。
散布タイミングや散布ムラに対しては、グレーシア乳剤より注意が必要になるでしょう。

私の個人的な使い方の考察としては、結球作物のチョウ目被害を想定した場合は、定植後2回~3回目くらいの防除タイミングで1回、結球始期頃に1回というタイミングで用いるのが良いのではないかなと思います。

先に挙げたように、この薬剤は移行性が無い薬剤となりますので、まだ小さい一番最初の頃に使うにはもったいない薬剤です。

3週間程度の残効を考慮しつつ、少し成長が進んできたタイミングに1回、結球前にもう1回といった感じで、できるだけ結球するまでの防除場面で活用するのが良いのではないかなと思います。

結球するまでのタイミングで虫の被害を減らしておけば、害虫に食い込まれるリスクも減ります。

結球後の散布や仕上げ散布での使用も良いと思いますが、結球作物の場合は結球するまでの飛込対策が超重要です。


ブロフレアSCは、ハムシに対しても効果が高い薬剤となっています。
キスジノミハムシ等は、年間で3~4世代のサイクルがあるアブラナ科野菜を特に好む害虫です。

成虫は、葉に対して針で突いたような穴を開けますが、幼虫はウジのような状態で根部を加害します。
キャベツ、はくさい、だいこん、カブ、コマツナ等は好んで寄生してくるので注意が必要な害虫です。

ブロフレアSCは、キスジノミハムシ・ダイコンサルハムシの成虫にのみ効果のある殺虫剤となります。
散布時はハムシ類は飛び出して逃げてしまいますが、この薬は「待ち伏せ型」の薬である為、舞い戻ってきた成虫が薬液の付いた葉を体内に取り込むことで殺虫します。

キスジノミハムシやダイコンサルハムシがブロフレアSCの成分を体内に取り込むと、触っても飛び出したり跳ねたりせずに死ぬといった特徴が有ります。

成虫を減らす事で産卵させる機会を減らします。
成虫の密度が減ると、土中の幼虫密度も後追いで減ってくる為、だいこん等の場合は根部の食害被害を減らす事にも貢献します。

実際はフォース粒剤等と併用する形となりますが、ハムシの成虫に対して効果が高いというのは非常に良い薬剤です。

使うタイミングとしては、残効が長いので発生前からの使用でも良いと思いますし、成虫の飛込が見えだした位からでも良いでしょう。



ブロフレアSCのネギアザミウマ・コナジラミ対策について

先に挙げたようにブロフレアSCはネギアザミウマやコナジラミ(バイオタイプQ)に対しての効果が期待できません。

効かない物は効かないと割り切って、効果のある薬剤と併用してしまった方が良いでしょう。

個人的にお勧めなのはリーフガード顆粒水和剤、ファインセーブフロアブルやコルト顆粒水和剤等です。

リーフガードは大型チョウ目に対しては難しい薬剤ですが、コナガの場合、卵~成虫までたたける薬なのに加え、アブラムシ・アザミウマ・ハモグリバエといった微小害虫もカバーできます。
コストも安価部類となりますので、登録作物が見合えば混用にはお勧めの薬剤です。
実際、ブロフレアSCとは混用可能な薬剤として使う事が出来ます。

ファインセーブフロアブルはアザミウマの専門剤とも言える薬剤です。
一部厳しい個体もいますが、大抵のアザミウマに対しては高い効果が期待できます。
ブロフレアSCが効かないネギアザミウマに対してもよく効きます。
コナジラミについても、オンシツコナジラミに対しての効果は期待できませんが、タバココナジラミ類に対しては登録を持っています。
ネギハモグリバエについては、活性は有りますが、ファインセーブ自体が浸達性や移行性が期待できない薬剤なので、幼虫に対する効果は期待できません。
ネギハモグリバエの幼虫に対してはブロフレアSCの方でカバーするような感じになります。
先に挙げたようにブロフレアSCは浸達性を押している薬では無いので、展着剤の選択でカバーするのが良いでしょう。

ファインセーブフロアブルはコナガについては卵~幼虫までをカバーできます。
ブロフレアSCもコナガに対する活性は卵△、幼虫◎という感じなので、幼虫に対しては非常に高い薬剤です。
異なる薬剤系統を用いる事で殺虫率の補完もできるでしょう。
この辺りを踏まえると、ブロフレアSCのフォロー剤としては良いのではないかと思います。
ファインセーブフロアブルは、はくさい、キャベツ、だいこん、ねぎ、ほうれんそうといった葉物野菜に登録が有ります。

コルト顆粒水和剤については、アブラムシ・コナジラミ・ネギアザミウマに対して登録が有ります。
また、ハモグリバエの成虫に対する効果もあります。
浸達性や移行性は無い薬剤なのでハモグリバエの幼虫に対しては効きませんが、成虫に対しては効果があり、IBR系という特長もあって、コルトの成分を取り込んだ成虫は異常行動によりネギの葉面に寄生しにくくなるという作用が有ります。
B系統のネギハモグリバエ対策としても有効です。
(B系統のネギハモグリバエに関する過去記事)

ネギに関してはB系統のネギハモグリバエはかなり注意が必要な害虫となっていますので、成虫発生前からの防除としてお勧めです。
相性としてはローコスト剤としてもお勧めできると思います。
コルト顆粒水和剤は、キャベツ、はくさい、レタス、非結球レタス、ねぎといった葉物野菜に登録が有ります。



製剤特長についてのまとめ

以下、ブロフレアSCについての製剤特長をまとめてみます。

●主成分はブロフラニリド5.0%製剤(有効成分名はテネベナール)
●新規作用のIRAC30グループ薬剤
●登録作物の多くで収穫前日まで使える
●グレーシア乳剤とは化合物骨格が異なる(薬剤系統が異なる)
●ネギアザミウマ、ハダニ、コナジラミに対する効果は×
●チョウ目、ハムシ(成虫)に対しての効果が高い(専門剤)
●カブラハバチに対しても効果がある
●接触毒も認められるが食毒主体の殺虫剤
●食害作用はすぐに止まる
●速効的に作用する(摂取2時間後には効果発現・1日後には死に至る)
●残効が長い(メーカーさん情報では3週間)
●耐雨性が高い(水溶解度が低い為、降雨による影響を受けにくい)
●抵抗性害虫に対して有効(コナガやシロイチモジヨトウ等)
●浸達性は確認されているが期待せず葉裏までしっかり散布する。
●移行性は期待できない為、新葉展開時期や害虫が食入している場合は注意が必要
●単剤高倍率でも薬害リスクが低い

混用可否薬剤については発売以降、順次わかってくると思いますが、使い勝手の良い薬剤となりそうです。



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“新規殺虫剤・ブロフレアSCが登録取得。製剤についての特徴や使いどころについて考察します。” への2件の返信

    • 菊池磯八 様
      コメントありがとうございます。
      私が聞いている限りでは250mlと500ml規格で発売を予定しているようです。
      入り目については500mlは20本だと思いますが250mlは大箱20本になるのか40本になるのかまだわかりません。

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