B系統のネギハモグリバエに要注意!生態と防除対策、お勧め殺虫剤についてご紹介!

西から北上してきている新規系統のネギハモグリバエが関東圏でも問題となっています。

ネギハモグリバエの成虫が居るかどうかは、ネギ場をよく見るとすぐ見つけられます。
成虫の大きさは2mm程度です。
発育温度はおおむね20℃~25℃くらいを好み、年間の発生数は5回前後です。 年間を通して見ると、主に春と秋に発生が多く見られる害虫です。
関東圏ですと、気温条件によっては10月以降でも多発する傾向が見られます。

これまでのA系統品種との見分けも付かない為、防除のタイミングがずれると激しい食害でネギの葉先が真っ白!なんて事にもなりかねません。

ネギハモグリバエのA系統とB系統はどこが違うのか?

A系統とB系統は、形態(見た目)の識別はできません。

一番わかりやすい見分けは、加害されているネギを見るか、ネギの表皮をめくってみる事です。

表皮をむくのはなかなか難しいですが、1本のネギに対しての幼虫(ウジ)の量が多ければ、B系統を疑って間違いないでしょう。
だいたい4~5匹は居る事が多いです。
また、絵描き症状(加害)も激しい為、加害が進んでいる場合は、食害の痕がつながってくるので、葉先に向かって真っ白になっていきます。

加害された症状の激しさから判断する事もできます。


このように、全体的に葉が白化したような見た目になってきます。

白色疫病かな?とも思ってしまうような見た目ですが、よく確認すると絵描き症状が入っている為、その違いがわかります。



生育初期のネギハモグリバエの加害には特に注意が必用です。

生育初期段階にネギハモグリバエに加害されると、絵描き症状だけでなく葉がちゃんと成長しない奇形症状や生育の遅延といった被害が起こる事があります。

生育中のネギをよく観察し、加害痕が見られないか、飛来している虫が居ないかなどのチェックを行うようにしましょう。

ネギハモグリバエは、吸汁している最中だと、意外と人が近づいても飛び立ちません。
このブログでアップしている画像もかなりの至近距離から撮影していますが、逃げる気配もないほど加害作業に集中していました。
もちろん、プンプン飛んでいる成虫も多々見られますが、遠くに飛来せず近くのネギへ移動するといった飛び方が目立ちます。
視点を変えれば、成虫に対しては薬剤がかかりやすいとも言えます。


ネギハモグリバエに有効な殺虫剤

新規B系統のネギハモグリバエを徹底的に防除する為には、植物体内に農薬の成分を入れ込む事ができる薬剤をメインにローテーション散布する事が重要です。

特にB系統品種は、1本のネギに対して加害するウジ(幼虫)の量が多い傾向にありますので、成虫の飛来を確認したら防除を抜かないよう意識して下さい。

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≪ネギハモグリバエにお勧めな薬剤≫

ベリマークSC
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ジアミド系の薬剤で、「育苗期の後半から定植当日まで」という使い方と、「生育期中」に使える2通りのパターンが選べる薬剤で、どちらも灌注して使うタイプの薬剤です。
生産者にとってはありがたい、薬害リスクの低い安心タイプの薬剤です。
移行性がありますので、植物体内に寄生する害虫にも有効です。
チョウ目害虫、アザミウマ、ハモグリバエ等に有効です。

ベネビアOD

ベリマークSCと同じ系統の殺虫剤で、こちらは灌注タイプではなく、散布専門の薬です。
オイルベースの製剤で、多少の展着効果があります。
当初、このオイルベースの作りが原因で、他の薬剤と混用すると薬害を生じるという話が先行した為とても扱いにくい製剤でしたが、近年は比較的安全性が高い薬である事がわかってきた為、かなり幅広い農薬と混用ができる万能薬になってきました。
チョウ目害虫、アザミウマ、ハモグリバエ等に有効な薬剤です。

アグリメック

劇物登録の殺虫剤です。
わりと新しい農薬ですが、アファーム乳剤のベースとなっている薬剤です。
薬剤系統もアファームと同じマクロライド系となります。
植物体内に成分が入る(浸達)薬剤で、接触毒作用もありますので、葉の中を加害するネギハモグリバエの幼虫に対しても有効です。
また、アザミウマに対しても有効な薬剤です。
500~1000倍希釈の農薬ですが、ネギアザミウマを主体に防除を考える際には500倍推奨です。
ハモグリバエの防除が必要な際は、ネギアザミウマの発生も問題となりますので、使用は500倍がお勧めです。

リーフガード顆粒水和剤

ネライストキシン系の殺虫剤で商品自体は劇物登録の薬剤です。
浸達性のある殺虫剤で、速効性かつハモグリバエ類に安定した効果があります。
チョウ目害虫だとコナガに対しても効果が高く、アブラムシやアザミウマ類に対しても同時防除できます。
ナメクジに対しても忌避作用がある為、葉菜類を生産されている生産者の方には特にお勧めです。

パダンSG水溶剤

リーフガードと同じくネライストキシン系の殺虫剤で劇物登録の薬剤です。
100g規格がありますので、家庭菜園の方にもお勧めです。

カスケード乳剤
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IGR系統(脱皮を阻害するタイプ)の殺虫剤。
効果は遅効的ですが、残効性がある為、他の殺虫剤と混用して使用するのがお勧めです。

兼商ヨーバルフロアブル(2020年3月より発売)
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新規ジアミド系の殺虫剤です。
チョウ目とハモグリバエに特に卓効で、農薬の中でも薬害リスクが低く、多くの殺虫剤・殺菌剤との混用ができます。
ベネビアODやベリマークSCと同じジアミド系の殺虫剤です。
ヨーバルフロアブルについては別記事でも紹介しています。



アジュバンド(機能性展着剤)の使用も有効です。

農薬散布において、展着剤の利用は防除効果を高めるのに有効です。
殺虫剤との組合せにお勧めな展着剤としては、スカッシュ液剤があります。

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農薬の粒子はあまり細かくしない代わりにクチクラワックスを軟化し、なじみながら浸透していくタイプの展着剤で、付着効果と濡れ性が高まります。

このスカッシュ液剤の濃度を濃くした商品に、ムシラップという気門封鎖系の殺虫剤があります。
スカッシュは殺虫剤との相性が良い為、より殺虫効果を高めたいという時に有効な展着剤です。

殺虫剤との組合せでよく用いられる展着剤ですが、ハダニ剤と組み合わせる事で殺虫剤の効果安定が狙えます。
また、チョウ目の若齢幼虫に展着剤を付着させると気門がふさがるのか、苦しがるといった作用が有りますので、チョウ目剤との相乗効果も狙えます。

注意点として、スカッシュは殺虫効果を高める面では非常に優れた展着剤ですが、温度条件によっては薬害を助長する場合が有ります。
散布する際は高温時の散布を避けましょう。
また、規定量を守って必要以上に濃い濃度で散布しないように注意して下さい。


ひう1つ、農薬の成分を植物体に染み込ませるのに有効な展着剤としては、アプローチBIという展着剤が有ります。

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こちらは、どちらかというと殺菌剤を主体とした農薬散布の時に用いられる事が多いと思いますが、農薬の粒子を細かくすることで、作物表皮のクチクラクラックの割れ目や、気孔から農薬を浸透させます。
スカッシュと異なる点としては、ワックス層に直接ダメージを与えないので、展着剤としての薬害は起こりにくいといった特徴が有ります。
殺虫剤との組合せも有効です。
例えば、浸透性や浸達性が弱い殺虫剤と組み合わせる事で、農薬散布のムラを予防する事が出来ます。

注意点としては、浸透性の高い薬剤(農薬自体に高い浸透力があり、高温時散布等で薬がリスクがある物)については、薬害リスクを助長してしまう為、これらの展着剤利用はお勧めできません。



まとめ

近年問題となっている新規B系統のネギハモグリバエは、加害する幼虫の数が従来のA系統種よりも多い特徴があります。
故に定期的なローテーション防除が必要となります。
栽培しているネギを見て、絵描き痕や成虫が見られる場合には、速やかに薬剤散布を行いましょう。
殺虫剤の選択は、浸透性のある薬剤、移行性のある薬剤、浸達性のある薬剤を中心にローテーションを組むのがお勧めです。
また、展着剤もうまく活用しながら防除効果を高めるよう配慮して下さい。


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