グレーシア乳剤はIRAC30グループに該当する新規殺虫剤です。
※IRACとは、簡単に言うと殺虫剤を分類するグループの事です。
以前はグループコードでの分類ではなく、製剤ごとに「〇〇系統の薬剤」というような分類分けをしておりました。
ちなみにグレーシア乳剤の薬剤系統はイソオキサゾリン系。
フルキサメタミドという有効成分を10.0%配合しています。
作用は即効性で浸透・浸達作用が有り、耐雨性が高く、温度条件の影響を受けにくい製品となっています。
幅広い登録内容、幅広い害虫に対して非常に高い効果があり、とても使い勝手が良い殺虫剤です。
今回は、主にグレーシア乳剤にスポットを当てて、実際の使用感やレビューについてピックアップしてみようと思います。
目次
グレーシア乳剤の実際の使用感
生産現場で使用している方の意見を伺ってみると、コナガやアザミウマについてはメーカーさんの評判通り、よく効いている印象です。
薬は使用するタイミングがとても大切ですが、わきはじめのコナガにはかなり有効な薬かなぁと思います。
まだコナガがそれほどわき始めていない時期に単剤で薬剤散布してみると、後から発生するコナガの幼虫の幼齢(サイズ)がそろっているような印象がありますので、コナガに対しては比較的取りこぼしが少ないような印象です。
ただ、これは散布タイミングにもよりますし、若齢なのか老齢なのかによっても効果が異なるかもしれません。
私の個人的な評価としては、コナガについては一旦はリセットに近い状況に持っていけそうな感触です。
普通、取りこぼしが多いと、幼虫のサイズがまばらになってしまうからです。
生産現場はコナガだけが問題となるわけでは無く、他のチョウ目害虫と同時発生する事が多いので、実際の効果有無については生産現場で評価が異なってくるのではないかと思います。
コナガは抵抗性が付きやすい害虫ですので、グレーシアのみの防除というのは避けてもらいたい所です(必ずローテーションで回しましょう)。
アザミウマについても、ネギについているネギアザミウマの様子を見ていると、それなりに効いているような印象を見受けられます。
アザミウマのローテーション剤としては十分活用できると思います。
近年問題となってきているシロイチモジヨトウに対してもよく効いているという印章です。
比較的老齢でもしっかり体内に取り込んでいれば効果が出るという印章を受けます。
ただし、シロイチモジヨトウは老齢サイズでも3㎝弱程度の大きさなので、ハスモンヨトウ等の大きさを基準に防除していると取りこぼしてしまいます。
中に食い込む虫なので、老齢になる前にたたくのがお勧めです。
グレーシア乳剤には苦手な虫もある?
メーカーさんも話しておりますが、アブラムシに対しては効果が期待できません。
スペクトラムについてはメーカーさんのHPをご参照下さい。
アブラムシ対策をするのであれば、作っている作物によって登録を見なければなりませんが、アドマイヤー剤、トランスフォームフロアブル、コルト顆粒水和剤、ウララDFなどを併用すると良さそうです。
リーフガード等も使い勝手が良いと思います。
それと個人的な感想ですが、中老齢のオオタバコガはちょっと苦手なのかな?という印象を受けます。
オオタバコガに対しての防除効果は十分有ると思うのですが、やはりタイミングを外すと食い込まれる印象です。
残効性や移行性が無いという点もあるのだと思います。
こちらもタイミングにはなりますが、中老齢のオオタバコガ等については、フェニックス顆粒水和剤、ベネビアOD、ヨーバルフロアブル、アファーム乳剤の方がよく効くと感じます。
フェニックス剤も移行性は有りませんが、残効は長く耐雨性も高い為、予防的な散布であればコナガ以外の葉物を加害するチョウ目害虫に対しては安定した効果を得る事ができます。
同じ薬剤系統のベネビアやヨーバルは残効性+移行性有りという薬剤なので、取りこぼしも防ぎやすいです。
アファーム剤についてはシロイチモジヨトウについては地域によって抵抗性の問題がありますが、オオタバコガ等のチョウ目害虫にはローテーション剤としては有効です。
中に食い込んでしまうチョウ目害虫は、生育が旺盛な時期は移行性が無い農薬に頼ろうとすると、どうしても作物成長に伴って薬液がかからない部分出てしまいます。
本来十分効果がある薬剤でもタイミングが悪いと「全く効いていない!」という印章を受けるかもしれません。
長野県あたりではウワバに対しての評価が低い話も伺いましたが、スペクトラム表を見る限りタマナギンウワバに対する活性は〇となっています。
一概に全く効かないという事は無いと思いますが、地域性等もあるのかもしれません。
また、トマトの例ですが、コナジラミについてはALLステージOKという薬ではないので、黄化葉巻病で困っているような生産者の方は体系防除で扱うといった流れが無難だと思います。
残効2週間は無いかもしれない?
あくまでメーカー試験上のデータなのだと思いますが、メーカーさんは2週間程度の残効をうたっています。
ただ、実際に圃場に落としてみた場合、私個人の感想としては1週間もってるかな?という感想です。
特に初夏以降はそういう印章がありました。
恐らく夏場のように紫外線の強い時期に使用すると、紫外線分解の影響が出るのかもしれません。
農薬によくある現象ですね。
近年出てきた殺虫剤の中では、即効的で効果も◎という印象ですが、メーカーさんが言うほど残効は無いな…という感じです(あくまで個人的な感想です)。
ただこの辺りについては、作っている作物であったり生産者それぞれの感覚というものがあると思うので、効いている人は過大に「効いている!」という方もいらっしゃるでしょう。
圃場条件によっても異なりますので一概には言えませんが、グレーシア乳剤を散布して、1週間くらいしたら次のローテーション散布を検討しておくと思います。
グレーシア乳剤の使いどころは?
あくまで個人的な感想ですが、コナガが問題となるアブラナ科野菜においては、コナガの発生初期(わきはじめ)くらいに一発入れておくと良いかなぁという感想です。
良い薬だとは思うのですが、過去の薬剤で老齢多発時に使って失敗した薬もいくつかあるので、私個人としては若齢の内に使うのが良いと考えます。
コナガの飛来が見られる時には殺成虫効果も狙ってリーフガード等を絡めると防除効果が上がると思います。
先に挙げたシロイチモジヨトウ等のヨトウムシ類やタバコガ類に対しても、若齢の内に使っておく事がお勧めです。
先にも挙げたように移行性は期待できませんので、結球作物であれば結球までの間に2回くらいは使っておきたいかなと思います。
結球しない作物の場合、生育初期の内に1回、ある程度新葉が展開してきた時に1回という感じで、生育別に使い分けると良いでしょう。
苗どころに関しては試しておりませんが、メーカーさんや使われた生産者の方の話を聞いている限りですと、安全性は比較的高い薬なのかな?と勝手に考えております。
苗使用については、メーカーさんの実績が積みあがってきてから検討しようと思います。
アザミウマについては、こちらもよく効いている印象ですので、特にネギにおいてはローテーションの1剤に入れておいても良いと考えています。
近年は関西エリアから関東に北上したB系統のネギハモグリバエも出てきており、年々被害エリアが増えておりますので、ハモグリ対策剤としてもローテーションには加えられると思います。
リーフガードやベネビアOD、カスケード等との併用またはローテーションで使ってみると良いでしょう。
個人的にはローテーションの1剤として、カスケードなどのIGR系統の薬剤(脱皮阻害や脱皮促進の薬)等、薬剤系統が異なる物と併用、または混用散布するのがお勧めと考えています。
グレーシア乳剤とアファーム乳剤における抵抗性コナガに対する薬剤感受性の状況について
ここからは少し余談となります。
抵抗性コナガに対しての生産現場におけるグレーシアの評価は先に挙げた通りですが、グレーシアの感受性低下といった話は新しい薬剤という事も有り、今の所は出ていません。
抵抗性コナガが出ているような各地域のコナガに対する検定検査では、致死率100%といった所です。
この結果だけを見ても、抵抗性コナガの部分については、グレーシア乳剤という剤は一級品である事が伺えます。
これに対して近年抵抗性コナガでリバイバル(改めてローテーション剤として復活)しましたシンジェンタの「アファーム乳剤」についてはどうなのか??という所が気になる部分ですが、シンジェンタジャパン内を含む各地域のコナガに対する感受性検定試験では1000倍希釈、2000倍希釈ともに致死率100%という結果となっています。
ちなみにアファームエクセラについても、それに順する結果となっています。
アファームについては、生産現場では「効かない」とか「高い」といった声を私もよく聞きますが、実効果面の部分では、他のチョウ目剤が感受性検査で効果のブレが出ている中、まだまだ高い殺虫効果を出している状況です。
グレーシア乳剤は非常に良い薬剤ですが、良い薬剤を延命させる為には薬剤系統の異なる物をローテーションする事が大切です。
どちらにしてもこういった速攻的な薬剤は、メーカーが言うほど残効は長くない薬剤です。
成虫や卵の数が多ければ次世代の発生も当然見られますので、効かないといった印象を受けやすくなります。
紫外線分解速度についても使う時期によって異なります。
日照時間の短い春先と日照時間の長い夏場とでは、紫外線を受ける時間も変わってきますので、残効にも影響が出るでしょう。
メーカーや各都道府県で行っている感受性試験内容は、リーフディスク検査という薬剤を付けた葉を虫に食べさせて死ぬかどうか?という「ポイントだけ」を見る検査が主体となりますので、生産現場のような広い面積での薬剤散布では、どうしてもムラが出やすいです。
ですので、生産者の皆様にとっては日頃からお気遣い頂いている事と思いますが、薬剤抵抗性を持たれないようにする為のローテーション散布であったり、倍率を改めて守る事が必要となります。
遅効性薬剤や殺卵作用のある薬剤と混用・併用したり、展着剤を可溶して作物体にまんべんなく薬剤がかかるように工夫するといった対策も必要です。
時折各県の病害虫防除所等が薬剤別の感受性試験等を行っていたりするので、そういったデータも参考にしてローテーション散布を行って頂いても良いのではないかと思います。
まとめ
総合的にいうと、グレーシア乳剤は良い薬だと思います。
近年発売された農薬の中では一級品である事は間違いないでしょう。
アブラムシと一部の害虫を除けば主要害虫はそれなりにいけるのでは?という印象です。
ただ、残効はいうほど長くないという印象がありますので、1週間くらいを目途に次の薬剤ローテを考えていった方が無難かなという印象です。
脱皮阻害剤(促進もあります)であるIGR系の薬剤や、殺卵作用のある剤との併用をお勧めします。
脱皮を阻害するタイプの薬だと、マッチ乳剤、カスケード乳剤、アタブロン乳剤、ノーモルト乳剤。
脱皮を促進するタイプの薬だとファルコンフロアブルなど。
混合剤であればアファームエクセラやファルコンエースフロアブルなども個人的にはお勧めです。
ファルコンエースフロアブルに含まれるファルコンは、脱皮阻害ではなく促進する製剤です。
私的には脱皮阻害と促進とを定期的に入れ替えながらローテーションするのがお勧めだと考えています。
殺卵作用のある薬だとハチハチ乳剤やノーモルト乳剤など。
作物が見合えばアクセルキングフロアブルなどもお勧めです。
グレーシア乳剤の混用試験事例をよく確認して頂いて、薬剤系統の異なる殺虫剤を上手に活用しながらグレーシア乳剤を使って頂ければと思います。
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すごく詳しく現場主義のブログを発見できてとても嬉しいです。
今後も参考にさせて頂きます。
当方 大阪で葉物野菜を生産してます。抵抗性コナガに悩まされております。ヨーバル使用してますが収穫期になるとやはりコナガがわいてきます。いろいろ試行錯誤してますが
また良い情報をギブアンドテイクできたらなぁと思います。
また読ませていただきます。
ありがとうございます。
>やさいや様
コメント頂きましてありがとうございます。
つたないブログですが関心を持って見て頂けて恐縮です。
葉物野菜を作られているとの事ですが、キャベツやはくさいでしょうか?
ヨーバルは後発ジアミド剤ですが、個人的には非常に良い薬だと思っています。
今の所はベネビア同様、抵抗性コナガに対しても使える薬剤となっています。
ただ、化学式は異なりますが構造が類似する部分もありますので、交差抵抗性をもたれないように連用を避けてローテーションで使って頂ければ幸いです。
私の見る限り、関東ではグレーシアやアファーム等の他に、ファインセーブフロアブルもコナガによく効いている印象です。
単剤の場合は1000倍、他の薬剤と混合する場合は2000倍といった使い方です。
グレーシア等と同様、コナガの発生初期くらいまでに使うと良いと思います。
他にお勧めできる物としては…
2020年度は、中国での工場問題などが有りリーフガードがメーカー欠品しておりますが、リーフガードはコナガの殺成虫剤としても使われていますので、ファインセーブとの相性も非常に良いです。
機会が有ればお使いになってみて下さい。
昨年は、キャベツやハクサイ場でコナガが抜けなかった際に、「グレーシア+フェニックス」、「ファインセーブ+フェニックス」といった組合せでのスポット散布をされている生産者の方をよく見かけました。
コストはかかりますが、落ち着いたという話も伺っています。
個人差も有るかもしれませんが、防除の参考になれば幸いです。
すごく詳しい返信ありがとうございます。こちらは小松菜や春菊を栽培しています。
高温小雨のためか、ヨトウ虫系が大発生して今日も高値の春菊を破棄しました。。
あと少しこの様な状況だと思いますが頑張ります。
また拝見させていただきます。しかし ヨトウも 1度付いてしまうと なかなか落ちませんね。
>やさいや様
コマツナと春菊を作られているのですね。
ヨーバルフロアブルを使われているのが理解できました。
関西以西のジアミド抵抗性の様子が気になる所ではありますが、ヨーバルは良い薬だと思います。
薬害リスクは非常に低い剤ですが、オイルベースではありませんので展着剤は必ず使って下さい。
使わないと作物によっては効果がブレると思います。
ヨーバルの非結球アブラナ科葉菜類(コマツナ)は今の所は5000倍使用なので、大型葉菜のように2500倍使用でいけるとアブラムシ類も同時防除できるので良いんですがね…
関東も7月は長雨でしたが水没やたたきつけられるような雨は少なかったので、思いのほか虫は湧いてきている感があります。
盛夏を過ぎる頃になるとヨトウも沢山増えてきますので防除が大変です。
気候的にはむしろここからがヨトウ右肩上がり時期に入ってきますので、まだまだご注意下さいといった所です。
使われていると思いますが、コマツナで登録を取っているチョウ目向けの薬剤としては、アファーム乳剤、コテツフロアブル、ディアナSC、プレオフロアブルくらいしかありません。
プレオはどちらかというと小型~中型害虫向けなので、わきはじめ位までの使用が無難でしょう。
非結球アブラナ科葉菜類で大型チョウ目に登録の有る薬剤でいうと、アクセルフロアブル、プレバソンフロアブル5、マッチ乳剤、スピノエース顆粒水和剤、マトリックフロアブル、フェニックス顆粒水和剤、アニキ乳剤等も該当してきます。
マッチとマトリックはIGR系統の薬剤で、マッチが阻害に対してマトリックが促進といった作用が有ります。
特に発生初期~中盤にかけてはIGR剤との組合せは効果的です。
圃場にいるチョウ目幼虫のサイズは様々なので、適度に阻害と促進を使い分けると良いと思います。
高温や高濃度等、条件が悪いと薬害リスクも有りますが、使い慣れているようであれば「スカッシュ(展着剤)」との組合せも良いです。
若虫はスカッシュだけでもかかるともだえます(苦しがる)。
春菊も夏場に作られているのですね。
高温での春菊栽培は物が良ければ相場も良いのだと思いますが、花が上がったり炭疽等の病気との戦いも有って大変ですよね。
ハウスも露地も、特に今年は長雨の影響でご苦労されているのではないかと思います。
殺菌剤も少ないのでコントロールが難しいですよね。
まだまだ酷暑ですので十分御自愛下さい。
すごい詳しく教えていただきありがとうございます。
こちらでは春菊は炭疽病でなく
はがれ病(正式な呼名?)が、よく出ます。アミスターやストロビーなどもあまり効果が見えないので今年はクプロシールドをメインに使ったところ 病気はあまり出てません。
Zボルドーは扱いにくいのでクプロシールドを重宝してます。ストロビーと混用すると薬害が出るので注意です。
まだまだ暑く天気が不順ですが頑張って下さい。ではでは。
バラを栽培していますが、近年ヒラズハナアザミウマの害に悩まされています。
グレーシャー乳剤を使ってみようと思いますが倍率はどれくらいに薄めれば良いですか?
高価なので気になります。
それと一番使って効果が出る時期を教えて下さいませ。
コメントありがとうございます。
グレーシア乳剤は農薬の登録上、バラ(大きい登録のくくりですと花き類も含めて)の登録が有りませんのでお使い頂けません…
現状ですと「花き類・観葉植物」という登録を取っていれば、個別にバラの登録が無くてもお使い頂く事ができます。
農薬登録上、「花き類・観葉植物」という大きい登録の中に、個別に「ばら」などの登録を含む形となっています。
ですが、花き類や観葉植物は沢山の種類が有りますので、それぞれの薬害症状(染み・焼けといった事例)については十分な事例を取っていない場合が有ります。
この辺りはメーカーさんのサポート等を利用して個別にご相談頂く事をお勧めします。
また、初めて使用するような農薬については、いきなり全面散布せずに小規模散布を行って1週間程度経過を見るといった事もお勧めします。
高温度の時間帯や散布後に高温になる時間帯になる場合は、そういったタイミングを避けて薬剤散布する事も必要です。
デリケートな作物の場合、高湿度時の薬散もお勧めしません(乾きが遅くなる為、薬害リスクが高まる場合有り)。
野菜場においての例ですと、ヒラズハナアザミウマは開花量と生息の密度の状況によって飛翔個体が増えていきます。
花関係も同じ事が言えますが、増殖する前の早めの防除が鉄則です。
農薬散布は発生してからの散布よりは、発生する時期より少し前のタイミングで一度薬剤散布しておくと良いです。
一度で抑えるというのは環境要因もあり難しいと思いますので、まずは開花前の予防的な防除が必要だと思います。
バラを栽培している環境がどんな環境かわかりませんが、温室で栽培されているようでしたら温室の外、周辺に雑草等の害虫が生息できそうな場所が有ると、そこでアザミウマを含めた害虫が発生してしまい、個体が軽い物は風等に乗って侵入してきます(防虫ネット等が付いていない場合は特に)。
ですので、温室の外の除草作業も必要になります。
既に使われているかもしれませんが、アザミウマ用の青い粘着版(予察シート)を用いる事で発生を確認する事も出来ます。
アザミウマの付着が見られたらすぐに薬剤散布をするといった目安にもなります。
作物によっては光反射資材を用いて乱反射させる事でヒラズハナアザミウマの行動を抑制したりするといった手法も用いられています。
【登録農薬の一例】
※効果・薬害については個別にメーカーさん等へご相談下さい。
「花き類~」のアザミウマ類登録薬剤の一例
アファーム乳剤 発生初期 2000倍
スピノエース顆粒 発生初期 5000倍
ディアナSC 発生初期 2500~5000倍
アグリメック 発生初期 500倍
ダブルシューターSE(スピノエースとサンクリスタルの混合剤) 発生初期 1000倍
アファームからアグリメックについてはヒラズハナアザミウマに対する効果は高いとされています。
スピノエースとディアナは同じ薬剤系統です。
アグリメックはアファームと同系統ですが、微小害虫に特化しています。
ダブルシューターSEについては、混合剤の片割れにサンクリスタルという(気門封鎖剤(むしが呼吸する部分をふさぐ作用))を含んでいますので、薬剤がしっかり害虫に付着すれば防除効果は高いと思いますが、油浸斑等には注意が必要かもしれません。
いずれの薬剤も瞬発型の殺虫剤になりますので残効はそれほど長くありません。
薬剤系統が被らないようローテーションしながらの散布が良いです。
「ばら」で登録を取っている薬剤の一例
トクチオン乳剤 発生初期 1000倍
どの薬剤においても薬剤がしっかり広がるよう、幅広く広がるような展着剤の活用もお勧めです。
のうらく様
大変詳しく環境の事まで考えて下さいましてありがとうございます。
薔薇は6月頃から2年ほど前よりアザミウマの害で蕾の形、花弁が黒くなり全く鑑賞かちが無くなりがっかりしています。
今年は少しでも アザミウマの害が減るように願って乳剤、ローテーションに入れさせていただきます。
有難うございました。