水稲除草剤成分の雑草殺草スペクトラムについて④(フ~モ行)

ここでは水稲除草剤成分の雑草に対する殺草スペクトラムについて紹介していきます。

別ページで紹介している内容を含めまして、こちらで紹介しているスペクトラムは一例となります。
メーカーさん了承の内容ではありませんので、参考程度にご活用下さい。



フルセトスルフロンの雑草殺草スペクトラムについて


フルセトスルフロンは石原産業(株)が開発したスルホニルウレア系の除草成分。
植物体内で合成される分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)の生合成酵素であるアセト乳酸合成酵素(ALS)を阻害する事で雑草を枯殺します。

除草成分は、散布後速やかに雑草の茎葉部、茎葉基部、根部より吸収され、新葉の展開を強く抑制しますが、枯殺までの効果発現は遅効性です。

残効性のある成分である為、ノビエ、コナギなどの対象雑草を約3週間程度抑制します。
ただし、減水深が極端に大きい条件下では残効は短くなる傾向にある為、水田の水管理には注意が必用です。

処理時期の雑草葉齢が低い時ほど効果の進展は早い傾向にあります。
高葉齢のノビエに対して高い除草効果があり、コナギや多年生雑草のホタルイ、ウリカワ等に対しても高い除草効果を有します。
クログワイやコウキヤガラに対しても高い効果があり、連年施用する事で更に効果が向上するといった特徴もあります。

スルホニルウレア系の除草剤である為、SU抵抗性雑草に対しては除草効果が劣ります。


フルセトスルフロンを含む水稲除草剤としては、

スケダチエース粒剤(中後期剤 フルセトスルフロン単剤)
ジャイブ剤(カフェンストロール+カルフェントラゾエチル+フルセトスルフロン+ベンゾビシクロン)
センイチMX剤 (JA品目 ピラクロニル+フルセトスルフロン+メソトリオン)
ナイスミドル粒剤(中後期剤 シメトリン+フルセトスルフロン+ベンフレセート)
フルイニング剤(カフェンストロール+カルフェントラゾエチル+フルセトスルフロン+ベンゾビシクロン)
フルパワーMX剤(ピラクロニル+フルセトスルフロン+メソトリオン)

等といった製品があります。


ジャイブ剤は2020年度を持って廃盤の予定だそうです。
同一スペックとしては、フルイニング剤も有りますが、以前はどちらも移植7日後からの登録内容でした。
現在は移植後5日からの登録となっており、ノビエは4葉期までのスペックとなっています。

中期剤といったくくりでしたが、使う時期としては初中期一発剤としても使える製剤となっています。

使いようによっては、近年増えてきたノビエ3葉期以上の製品より、ある意味でハイスペック品という位置付けになりますね。



プロピリスルフロンの雑草殺草スペクトラムについて


プロピリスルフロンは住友化学㈱が開発した新しいタイプのスルホニルウレア系の除草成分。

スルホニルウレア系の抵抗性雑草(SU抵抗性雑草)が問題となる中、プロピリスルフロンはこれらの雑草に対して有効であるという特長を持っています。

プロピリスルフロンは、植物体内で合成される分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)の生合成酵素であるアセト乳酸合成酵素(ALS)の働きを阻害する事により雑草を枯殺します。

プロピリスルフロン単剤としての効果発現としては遅効的ですが、ノビエを主体に幅広い難防除雑草に対して低薬量で効果を発揮するという特長が有ります。

プロピリスルフロンを含む水稲除草剤としては、

アッパレZ剤(JA品目 ピラクロニル+ブロモブチド+プロピリスルフロン)
ウルティモZ剤(2021年度より販売予定 シクロピリモレート+ピラゾレート+プロピリスルフロン)
キクンジャーZ剤(ピラゾレート+プロピリスルフロン)
ゼータタイガー剤(ブロモブチド+プロピリスルフロン+ペントキサゾン)
ゼータハンマー剤(プロピリスルフロン+ペントキサゾン)
ゼータファイヤ剤(ブロモブチド+プロピリスルフロン)
ゼータプラス剤(フェンキノトリオン+プロピリスルフロン)
ビクトリーZ剤(JA品目 ピラクロニル+プロピリスルフロン)
ブルゼータ剤(プロピリスルフロン+ベンゾビシクロン)
マキビシZ剤(ブロモブチド+プロピリスルフロン)
メガゼータ剤(ピラクロニル+プロピリスルフロン)

プロピリスルフロン製剤は、名称に「Z」または「ゼータ」という文言を入れるルールになっているようです。
これから発売される新規商材も同様になります。

「Z」とか「ゼータ」なんてつくと、マジンガーとかガンダムシリーズを想像してしまいますね。

プロピリスルフロンは、幅広い雑草に高い防除効果があるという事で、スーパーSU剤的なイメージが強く、発売当初はクログワイ等に対する効果、塊茎が減る等というアナウンスはしていませんでした。

一時は人気だったプロピリ剤でしたが、後発剤の日産化学原体であるメタゾスルフロン剤(アルテア剤)の宣伝(塊茎が減る広告など)に押され、販売店のシフトが目立った時期もありました。

最近はクログワイの塊茎に対する効果についてもプッシュするようになり、クログワイに対する効果押しが目立ちます。
また、混合剤にも注力している感がありますね。



ブロモブチドの雑草殺草スペクトラムについて


ブロモブチドは住友化学㈱によって開発された酸アミド系の除草剤。
カヤツリグサ科雑草の中でも特にホタルイに対して高い効果が有ります。
SU抵抗性ホタルイに対しても同様です。

ブロモブチドは、雑草の発芽は阻害せずに、発芽以降の生育(雑草の第1葉以降の新しい葉の展開や成長)を抑制し枯殺する比較的遅効的な成分です。

成分は根や茎葉から吸収され、処理時期を問わず発根阻害剤力が強いといった特徴もあります。
水変動に強く処理層が作られた後は、安定した効果が期待できる成分です。

ブロモブチドを含む水稲除草剤としては、

アッパレZ剤(JA品目 ピラクロニル+ブロモブチド+プロピリスルフロン)
アルファープロ剤(フェノキサスルホン+ブロモブチド+ベンスフルロンメチル)
イノーバDXアップ剤(ダイムロン+フェントラザミド+ブロモブチド+ベンスフルロンメチル)
イノーバトリオ剤(フェントラザミド+ブロモブチド+ベンスフルロンメチル)
ウィナー剤(JA品目 イプフェンカルバゾン+ブロモブチド+ベンスフルロンメチル)
オサキニ粒剤(イマゾスルフロン+ピリミノバックメチル+ブロモブチド)
クサトリーDX剤(フェントラザミド+ブロモブチド+ベンスフルロンメチル)
クミスター剤(JA品目 フェノキサスルホン+ブロモブチド+ベンスフルロンメチル)
ゴウワン剤(JA品目 オキサジクロメホン+クロメプロップ+ブロモブチド+ベンスルフロンメチル)
ゴエモン剤(イプフェンカルバゾン+イマゾスルフロン+ブロモブチド)
ショウリョクS粒剤(イマゾスルフロン+カフェンストロール+カルタップ+ダイムロン)
ショキニー剤(JA品目初期剤 ブロモブチド+ペントキサゾン)
ゼータタイガー剤(ブロモブチド+プロピリスルフロン+ペントキサゾン)
ゼータファイヤ剤(ブロモブチド+プロピリスルフロン)
トップガン剤(JA品目 ピリミノバックメチル+ブロモブチド+ベンスルフロンメチル+ペントキサゾン)
バッチリ剤(JA品目 イマゾスルフロン+ピラクロニル+ブロモブチド)
バッチリLX剤(イマゾスルフロン+オキサジクロメホン+ピラクロニル+ブロモブチド)
ビンワン剤(JA品目 オキサジクロメホン+テフリルトリオン+ブロモブチド)
マキビシZ剤(ブロモブチド+プロピリスルフロン)
ヨシキタ剤(イマゾスルフロン+ブロモブチド+ペントキサゾン)
ワンベストフロアブル(初期剤 テニルクロール+ピラゾキシフェン+ブロモブチド)

等といった薬剤があります。
これ以外にも製剤としてはあるので、ブロモブチド製剤がいかに多いかわかりますね。



ペノキススラムの雑草殺草スペクトラムについて


ペノキススラムは現在のコルテバ・アグリサイエンス㈱(旧ダウ・ケミカル)が開発したスルホンアミド系の成分。

雑草の茎葉から吸収される事で、植物体内で合成される分岐鎖アミノ酸(バリン・ロイシン・イソロイシン)の生合成をつかさどるアセト乳酸合成酵素を阻害します。
これにより、生育に必要なこれらのアミノ酸の生成ができなくなり、生育に異常をきたし枯死します。

稲に対しては、雑草より早く植物体内で成分が分解される為、影響が出ません。
効果の発現としては遅効的ですが、ノビエや広葉雑草、カヤツリグサ科雑草など、難防除雑草に対しても優れた枯殺力を有します。


ペノキススラムを含む水稲除草剤としては、

アトカラSジャンボMX剤(中後期剤 アジムスルフロン+ペノキススラム+メソトリオン)
セカンドショットSジャンボMX剤(JA品目中後期剤 アジムスルフロン+ペノキススラム+メソトリオン)
テッケン剤(JA品目中後期剤 ベンゾビシクロン+ペノキススラム)
ドンピシャ粒剤(JA品目中後期剤 テフリルトリオン+ピラクロニル+ペノキススラム)
ニトウリュウ剤(中後期剤 ベンゾビシクロン+ペノキススラム)
フォローアップ粒剤(JA品目中後期剤 ダイムロン+ペノキススラム)
フォーカード粒剤(エスプロカルブ+ピラゾスルフロンエチル+ベンゾビシクロン+ペノキススラム)
ブイゴール粒剤(JA品目中後期剤 MCPBエチル+シメトリン+ペノキススラム)
ワイドアタックD粒剤(中後期剤 ダイムロン+ペノキススラム)
ワイドアタックSC剤(中後期剤 ペノキススラム単剤)
ワイドショット粒剤(JA品目中後期剤 テフリルトリオン+ペノキススラム)
ワイドパワー粒剤(JA品目中後期剤 ベンタゾンナトリウム塩+ペノキススラム)

といった製剤が有ります。

ペノキススラムと言えばワイドアタックが代表格ですが、単剤のワイドアタックSCの雑草に対する防除効果と防除目安としては、ノビエ(5葉期)、マツバイ(生育期)、ヒルムシロ(生育期)、セリ(生育期)、アメリカセンダングサ(4~6葉期)、アゼナ(3~5葉期)、ホタルイ(花茎抽出期)、ウリカワ(4~6葉期)、タウコギ(4~6葉期)、コナギ(5葉期)、ヘラオモダカ(4~6葉期)、クログワイ(草丈20~30㎝)、オモダカ(草丈30㎝)、ミズカヤツリ(4~6葉期)となっています。
この他にもアオミドロに対しても活性が有ります。
効果が低い雑草としては、アゼガヤ(イネ科)、アシカキ(イネ科)、キシュウスズメノヒエ(イネ科)、ヒメミソハギ(ミソハギ科)、チョウジタデ(アカバナ科)、イボクサ(ツユクサ科)などの雑草が有ります。

成分量によっても葉齢は異なってくると思いますが、ペノキススラムは中後期除草剤の代表的な成分です。
近年ではペノキススラムを含むジャンボ剤も発売されており、効果と使い勝手の良さから需要が伸びてきています。

三井化学アグロ㈱のアトカラSジャンボMX
日本農薬㈱のニトウリュウジャンボ
JA品目のセカンドショットSジャンボMX

アトカラSとセカンドについては、細かい製剤で拡散性に優れるといった特徴が有ります。
ニトウリュウについては、一度パックが水中に沈み、水中で崩壊しながら広がっていくといった特徴が有ります。



ベンスフルロンメチルの雑草殺草スペクトラムについて


ベンスルフロンメチルはスルホニルウレア系の除草成分。
分岐鎖アミノ酸合成阻害剤(ALS阻害剤)。
雑草に対して黄化、生育抑制を示し、枯殺に至るまでに時間を要す特徴が有ります。

コルテバ・アグリサイエンスの水稲除草剤成分であるベンスルフロンメチルでしたが、2019年9月にクミアイ化学工業㈱が中国を除くアジア太平洋地域の事業を買収した事でも話題となりました。


ベンスルフロンメチルを含有する水稲じょそうざいとしては、

アルファープロ剤(フェノキサスルホン+ブロモブチド+ベンスルフロンメチル)
イッポンD剤(ダイムロン+ピラクロニル+ブロモブチド+ベンスルフロンメチル)
イノーバDXアップ剤(ダイムロン+フェントラザミド+ブロモブチド+ベンスルフロンメチル)
イノーバトリオ剤(フェントラザミド+ブロモブチド+ベンスルフロンメチル)
ウィナー剤(JA品目 イプフェンカルバゾン+ブロモブチド+ベンスルフロンメチル)
ウルフエース剤(JA品目 ベンスルフロンメチル+ベンチオカーブ+メフェナセット)
オオワザ剤(JA品目 フェノキサスルホン+ベンスルフロンメチル+ベンゾビシクロン)
カチボシ剤(JA品目 イプフェンカルバゾン+テフリルトリオン+ベンスフルロンメチル)
クサトリエース剤(カフェンストロール+ダイムロン+ベンスルフロンメチル)
クサトリーBSX剤(フェントラザミド+ベンスルフロンメチル+ベンゾビシクロン)
クミスター剤(JA品目 フェノキサスルホン+ブロモブチド+ベンスルフロンメチル)
ゴウワン剤(JA品目 オキサジクロメホン+クロメプロップ+ブロモブチド+ベンスルフロンメチル)
ザークD粒剤(ダイムロン+ベンスルフロンメチル+メフェナセット)
シロノック剤(カフェンストロール+ダイムロン+ベンスルフロンメチル+ベンゾビシクロン)
トップガン剤(JA品目 ピリミノバックメチル+ブロモブチド+ベンスルフロンメチル+ペントキサゾン)
ビシット粒剤(シハロホップブチル+テニルクロール+ベンスルフロンメチル)

等といった薬剤が有ります。



ベンゾビシクロンの雑草殺草スペクトラムについて


ベンゾビシクロン(SB-500)は、㈱SDSバイオテックの除草成分。
カロテノイド整合性阻害剤(HPPD阻害剤)で、新葉の白化(クロロシス)を伴う事で雑草を枯殺します。

枯殺に至るまでは時間を要しますが、SU抵抗性雑草(イヌホタルイ・コナギ・アゼナ類など)やイボクサ、アシカキ、サヤヌカグサなどの匍匐(ほふく)性雑草にも高い除草効果が有ります。

オオナリ、おどろきもち、華麗舞、ソルトスター、タカナリ、とよめき、ハバタキ、兵庫牛若丸、ふくおこし、ほそおもて、ミズホチカラ、モミロマン、みなちから、やまだわら、夢十色、ルリアオバに対しては、感受性が確認されている為、これらの品種にベンゾビシクロンを処理すると薬害を伴いますので十分注意して下さい。

隣の水田でこれらの作付けをしている時なども要注意です。
散布後の降雨などによるオーバーフローなどでも薬害が生じる場合が有ります。

ベンゾビシクロンを含有する水稲除草剤としては、

アシュラ剤(JA品目 トリアファモン+ピラクロニル+ベンゾビシクロン)
アネシス剤(JA品目 ピラゾスルフロンエチル+ブタクロール+ベンゾビシクロン)
アールタイプ剤(ピラゾレート+ベンゾビシクロン+メタゾスルフロン)
イザナギ剤(トリアファモン+ベンゾビシクロン+ペントキサゾン)
イッテツ剤(イマゾスルフロン+カフェンストロール+ベンゾビシクロン)
イネキング剤(ピラクロニル+ピラゾレート+ベンゾビシクロン)
オオワザ剤(JA品目 フェノキサスルホン+ベンスルフロンメチル+ベンゾビシクロン)
オークス剤(カフェンストロール+ダイムロン+ハロスルフロンメチル+ベンゾビシクロン)
カリュード剤(ピラクロニル+ベンゾビシクロン+ベンゾフェナップ)
カービー粒剤(中後期剤 MCPBエチル+シハロホップブチル+ベンゾビシクロン)
キクトモ剤(JA品目 カフェンストロール+ジメタメトリン+ダイムロン+ベンゾビシクロン)
キチット剤(JA品目 イマゾスルフロン+オキサジクロメホン+ベンゾビシクロン)
クサトリーBSX剤(フェントラザミド+ベンスルフロンメチル+ベンゾビシクロン)
クサビ剤(JA品目 フェノキサスルホン+ベンゾビシクロン+ベンゾフェナップ)
ゲパード粒剤(中後期剤 ダイムロン+ピラクロニル+ベンゾビシクロン+メタゾスルフロン)
サスケー剤(カフェンストロール+シクロスルファムロン+ダイムロン+ベンゾビシクロン)
サンパンチ剤(JA品目中後期剤 シハロホップブチル+ジメタメトリン+ハロスルフロンメチル+ベンゾビシクロン)
忍剤(イマゾスルフロン+ピラクロニル+ベンゾビシクロン)
シュナイデン剤(JA品目 ピラゾレート+ベンゾビシクロン+メタゾスルフロン)
シリウスエグザ剤(JA品目 オキサジクロメホン+ピラクロニル+ピラゾスルフロンエチル+ベンゾビシクロン)
シリウスターボ剤(JA品目 オキサジクロメホン+ジメタメトリン+ピらぞスルフロンメチル+ベンゾビシクロン)
シロノック剤(カフェンストロール+ダイムロン+ベンスフルロンメチル+ベンゾビシクロン)
ジカマック500g粒剤(直播水稲剤 ピラゾレート+ベンゾビシクロン+メタゾスルフロン)
ジャイブ剤(カフェンストロール+カルフェントラゾエチル+フルセトスルフロン+ベンゾビシクロン)
ジャイロ剤(JA品目 イプフェンカルバゾン+ベンゾビシクロン+ベンゾフェナップ)
スマート剤(JA品目 フェントラザミド+ベンゾビシクロン+ベンゾフェナップ)
ツルギ剤(イプフェンカルバゾン+イマゾスルフロン+ベンゾビシクロン)
テッケン剤(JA品目中後期剤 ベンゾビシクロン+ペノキススラム)
天空剤(フェントラザミド+ベンゾビシクロン+メタゾスルフロン)
トビキリ剤(カフェンストロール+ダイムロン+ピラゾキシフェン+ベンゾビシクロン)
ナギナタ剤(JA品目 オキサジクロメホン+ピリミスルファン+ベンゾビシクロン)
ニトウリュウ剤(中後期剤 ベンゾビシクロン+ペノキススラム)
ハイカット粒剤(中後期剤 シハロホップブチル+ジメタメトリン+ハロスルフロンメチル+ベンゾビシクロン)
半蔵剤(シクロスルファムロン+ベンゾビシクロン+ペントキサゾン)
ハーディー剤(ピラクロニル+ピラゾスルフロンエチル+ブタクロール+ベンゾビシクロン)
ピラクロエース剤(JA品目 ピラクロニル+ベンゾビシクロン+ベンゾフェナップ)
フォーカード剤(エスプロカルブ+ピラゾスルフロンエチル+ベンゾビシクロン+ペノキススラム)
フルイニング剤(カフェンストロール+カルフェントラゾエチル+フルセトスルフロン+ベンゾビシクロン)
ブルゼータ剤(プロピリスルフロン+ベンゾビシクロン)
プレキープ剤(直播剤 ピラゾキシフェン+ベンゾビシクロン)
ベンケイ剤(JA品目 ピリミスルファン+フェノキサスルホン+ベンゾビシクロン)
ホットコンビ剤(初期剤 テニルクロール+ベンゾビシクロン)
モーレツ剤(ピラクロニル+ベンゾビシクロン+ベンフレセート)
ライジンパワー剤(インダノファン+ピラクロニル+ベンゾビシクロン)

おおむねこのような製剤があります。
近年は飼料用米や加工用米に感受性のない新しい白化剤も出てきた為、今後はそちらにシフトしていく感がありますが、ホタルイやイボクサ等の難防除雑草に対しては有効な成分である為、今後も多用されていく成分でしょう。



ベンゾフェナップの雑草殺草スペクトラムについて


ベンゾフェナップは三菱油化(株)(現在の三菱化学(株))が開発したピラゾール系の除草成分。
クロロフィル生合成阻害剤で白化症状を示します。
枯殺に至るまでには時間を要しますが、多年生雑草のオモダカやウリカワ等に高い効果を示す除草成分です。

ベンゾフェナップを含む水稲除草剤としては、

カリュード剤(ピラクロニル+ベンゾビシクロン+ベンゾフェナップ)
クサビ剤(JA品目 フェノキサスルホン+ベンゾビシクロン+ベンゾフェナップ)
スマート剤(JA品目 フェントラザミド+ベンゾビシクロン+ベンゾフェナップ)
ハビコラン粒剤(クミルロン+テニルクロール+ベンゾフェナップ)
ピラクロエース剤(JA品目 ピラクロニル+ベンゾビシクロン+ベンゾフェナップ)

などの薬剤が有ります。



ベンタゾンナトリウム塩の雑草殺草スペクトラムについて


ベンタゾンナトリウム塩は、ダイアジン系の除草成分。
代表的な薬剤はバサグランです。
水田だけでなく、だいず栽培にも使われています。

水稲においては、一年生雑草と多年生雑草の両方を防除する後期除草剤として利用されています。
特に難防除雑草のクログワイ、オモダカ、ミズカヤツリなどに有効です。
稲に対して薬害が少ないといった特徴もあります。

ノビエには効果がありませんので、ノビエまで含める場合は散布剤のクリンチャーバスMEやヒエクリーンバサグラン粒剤等を用いて下さい。

ヒエ専門剤のトドメMF剤との混合剤も上市予定となっています。



ベンフレセートの雑草殺草スペクトラムについて


ベンフレセートは現在のOATアグリオ㈱が2011年6月にバイエルクロップサイエンス㈱より買収したベンゾフラニルアルキルスルホン酸系の除草成分。

ミズカヤツリ等のカヤツリ科雑草に有効な除草成分で、特にクログワイに対して高い効果が有ります。
芝の除草剤としても販売されており、スズメノカタビラに対して高い殺草効果があります。

ベンフレセートを含有する水稲除草剤としては、

ウリホス粒剤(ジメタメトリン+ピラゾレート+プレチラクロール+ベンフレセート)
クミメートSM(JA品目中後期剤 MCPBエチル+シメトリン+ピリミノバックメチル+ベンフレセート)
ザーベックスDX粒剤(中後期剤 MCPBエチル+シハロホップブチル+シメトリン+ベンフレセート)
ザーベックスSM粒剤(中後期剤 MCPBエチル+シメトリン+ベンフレセート)
ナイスミドル粒剤(中後期剤 シメトリン+フルセトスルフロン+ベンフレセート)
モーレツ剤(ピラクロニル+ベンゾビシクロン+ベンフレセート)

などの薬剤が有ります。



メソトリオンの雑草殺草スペクトラムについて


メソトリオンはシンジェンタにより開発されたトリケトン系の除草成分。
光合成色素のひとつであるカロチノイド系色素の生合成系に作用する事で植物に必要な酸素の働きを抑制し、植物色素の維持・生成を阻害する事で雑草を白化させて枯死させます(白化剤)。

イヌホタルイやコナギなどのSU抵抗性雑草にたいして高い除草効果を有します。
メソトリオンを含む製剤には「MX」という名称がつくのが特長です。

ベンゾビシクロン、テフリルトリオン、メソトリオンについては、一部の飼料用米や加工米に対して感受性を示すものがある為、該当している稲体に使うと薬害症状が起こるので注意が必用です。

メソトリオンを含む水稲除草剤としては、

アクシズMX粒剤(中期剤 ピリフタリド+メソトリオン+メタゾスルフロン)
アトカラSジャンボMX(中後期剤 アジムスルフロン+ペノキススラム+メソトリオン)
アピログロウMX剤(ピラゾスルフロンエチル+ピリフタリド+プレチラクロール+メソトリオン)
オシオキMX粒剤(中後期剤 アジムスルフロン+ピリフタリド+メソトリオン)
カミオンMX粒剤(ピラゾレート+プレチラクロール+メソトリオン)
ジャンダルムMX剤(ピリフタリド+ピリミスルファン+メソトリオン)
セカンドショットSジャンボMX(JA品目中後期剤 アジムスルフロン+ペノキススラム+メソトリオン)
センイチMX粒剤(JA品目 ピラクロニル+フルセトスルフロン+メソトリオン)
フルパワーMX剤(ピラクロニル+フルセトスルフロン+メソトリオン)
マキシーMX粒剤(初期剤 プレチラクロール+メソトリオン)
ロータスMX剤(ピラゾスルフロンエチル+ピリフタリド+プレチラクロール+メソトリオン)

等の薬剤があります。



メタゾスルフロン(アルテア)の雑草殺草スペクトラムについて


メタゾスルフロン(NC-620)は、日産化学工業㈱によって開発されたスルホニルウレア系の除草成分(アルテアはメタゾスルフロンの相性です)。

スルホニルウレア系の除草剤は多用されてきた結果、抵抗性雑草が問題となってしまいましたが、メタゾスルフロンはこれらのスルホニルウレア系抵抗性雑草に対しても枯殺効果を有します。

ノビエをはじめ、イヌホタルイ、ウリカワ、ミズカヤツリ、オモダカ、クログワイ、シズイ等の多年生雑草に対して高い効果が有ります。
特にホタルイや多年生雑草に対して効果の高い成分ですが、地上部の雑草枯殺だけでなく、翌年の発生原因となる塊茎の形成を抑えるという特長も有ります。

メタゾスルフロンを含有する水稲除草剤としては、

アクシズMX粒剤(ピリフタリド+メソトリオン+メタゾスルフロン)
アールタイプ剤(ピラゾレート+ベンゾビシクロン+メタゾスルフロン)
イネヒーロー剤(ダイムロン+ペントキサゾン+メタゾスルフロン)
銀河剤(ダイムロン+ピラクロニル+メタゾスルフロン)
月光剤(カフェンストロール+ダイムロン+メタゾスルフロン)
ゲパード剤(中期剤 ダイムロン+ピラクロニル+ベンゾビシクロン+メタゾスルフロン)
コメット剤(JA品目 テフリルトリオン+ピラクロニル+メタゾスルフロン)
シグナス剤(JA品目 テフリルトリオン+フェントラザミド+メタゾスルフロン)
シュナイデン剤(JA品目 ピラゾレート+ベンゾビシクロン+メタゾスルフロン)
ジカマック500g粒剤(直播専用剤 ピラゾレート+ベンゾビシクロン+メタゾスルフロン)
ツインスター剤(ダイムロン+メタゾスルフロン)
天空剤(フェントラザミド+ベンゾビシクロン+メタゾスルフロン)
レブラス剤(JA品目中期剤 ジメタメトリン+ダイムロン+テフリルトリオン+メタゾスルフロン)

等の薬剤が有ります。



メタミホップの雑草殺草スペクトラムについて


メタミホップは、韓国で開発されたアリールオキシフェノキシプロピオン酸系のノビエ専門の除草成分。

主にノビエの茎葉部から吸収され、雑草体内のACCaseを阻害します。初期症状として黄化が始まり、黄化後は速やかに褐変・枯死します。

メタミホップを含有する水稲除草剤としては、

トドメMF粒剤(中後期剤 メタミホップ単剤)
シアゲMF粒剤(中後期剤 MCPBエチル+ピリミスルファン+メタミホップ)
トドメバスMF液剤(中後期剤 ベンタゾンナトリウム塩+メタミホップ)

トドメMF剤は、2週間程度の土壌処理効果(残効性)があり、展着剤が不要で耐雨性に優れます。

シアゲ粒剤は、幅広い雑草に他界黄河を示すピリミスルファンと、広葉雑草・多年生雑草に対する補強としてホルモン系のMCPBエチルを含有しています。
散布時に落水をする必要が無いといった作業性のメリットも有ります。

トドメバスは、バサグランとトドメ剤との混合剤です。
トドメMF発売当初から、単剤同士でのバサグランとの組合せは生産現場で行われていました。
こちらの混合剤も、バサグランを含有している為、落水または極浅水にしてから散布しなければなりませんが、展着剤が不要でそのまま散布ができます。

メタミホップ剤は高葉齢のノビエに対してクリンチャー以上の高い枯殺効果を有しますが、バサグランとの相性はあまり良くないようです。
単剤同士での組合せの場合、ノビエに対する効果としては若干落ちるといった試験データが有ります。
トドメMF乳剤が最大でノビエ7葉期の登録があるのに対し、トドメバスはノビエ5葉期の登録となっています。

作業性の面で考えると、バサグランとの混用はいっぺんにノビエ以外の雑草も含めて除草できるという点でメリットが有りますが、ノビエの葉齢によっては取りこぼすリスクもありますので、散布のタイミングには注意が必用です。



メフェナセットの雑草殺草スペクトラムについて


メフェナセットは現在のバイエルクロップサイエンス㈱によって開発された酸アミド系の除草成分。

雑草の根部、幼芽部により吸収され、植物体内で脂肪酸の生成を阻害する事で生育を強く抑制し、葉の濃緑化、奇形化を呈して枯死させます。
発生始期の一年生広葉雑草にも活性が有りますが、アゼナには弱いといった特徴が有ります。

メフェナセットを含有する水稲除草剤としては、

アクト粒剤(ピラゾスルフロンエチル+メフェナセット)
ウルフエース剤(JA品目 ベンスルフロンメチル+ベンチオカーブ+メフェナセット)
ザークD剤(ダイムロン+ベンスルフロンメチル+メフェナセット)
バトル粒剤(イマゾスルフロン+ダイムロン+メフェナセット)
パワーウルフ粒剤(JA品目 ブロモブチド+ベンスルフロンメチル+ベンチオカーブ+メフェナセット)
ポッシブル剤(テフリルトリオン+メフェナセット)
ムソウ剤(ピリミスルファン+メフェナセット)
リボルバー剤(JA品目 シハロホップブチル+ピラゾスルフロンエチル+メフェナセット)
リードゾン粒剤(JA品目 ピラゾレート+ブロモブチド+メフェナセット)

等の薬剤が有ります。

品目によっては既にメーカー終売になっている品目も有ります。



モリネートの雑草殺草スペクトラムについて


モリネートは協友アグリ㈱が所有するチオカーバメート系の除草成分で、雑草の幼芽部、茎葉部、根部からの吸収後、成長点へ移行し、脂肪酸合成阻害によって雑草の細胞分裂、伸長を阻害し枯死させます。
イネ科やカヤツリグサ科の雑草には活性があるが、広葉雑草には効果が劣るといった特徴が有ります。

モリネートを含有する水稲除草剤としては、2020年現在、JA品目しかありません。

イッソウ粒剤(中期剤 テフリルトリオン+ピラクロニル+モリネート)
マメットSM剤(中期剤 MCPBエチル+シメトリン+モリネート)



まとめ

今回も水稲除草剤の成分スペクトラムについて紹介させて頂きました。
水稲除草剤は、異なる成分の組合せで幅広い草種をカバーする商材です。

1つの成分で幅広いスペックを有する物もありますが、基本的には補い合いの商材となっています。

一部でSU抵抗性雑草などの問題は有りますし、今後も同様なケースが雑草の種類によって出てくると思いますが、自分の圃場にあった除草剤を使っていただければ幸いです。


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