レタス「べと病」の生態と防除対策。お勧め農薬について。

レタスのべと病は、春や晩秋に注意が必用なレタスの病害の1つです。

季節的なものやタイミングを外さないように定期的な防除や換気等を行っていれば、生産現場では「べと病で困る!!」という感じは無いと思いますが、少しモヤっとした時や、霜や降雨の後の天気具合によっては注意が必用だったりします。

今回はそんな「レタスのべと病」についての生態と防除対策、べと病を多発させない為のローテーション構築のヒントや、登録農薬情報についてピックアップしてみようと思います。



レタスのべと病の生態について

レタスのべと病は、糸状菌というカビ(ブレミア ラクチュケ)によって引き起こされる病害です。

病原菌は被害残渣の上で生存し、低温多湿条件下で胞子を作って広がっていきます。

病原菌の発育温度は5℃~25℃であり、10℃~15℃が最適温度とされています。
胞子のう形成は湿度90%以上が最適とされ、多湿条件下だと発生が助長されます。



露地栽培の場合は春または秋の降雨が多い時に多発する傾向が有ります。
晩秋からあ春にかけては、トンネル栽培、ハウス内(施設)栽培での発生が多く見られる病害です。

病原菌に加害されているかどうか?については、少し被害が進んでいる物であれば、見た目の変化で気付くことが可能です。

具体的には、それまでの健全な緑色だった状態の葉から黄化症状が起こります。
うっすら色が抜けてきたり、進んでくると黄色くなったりします。

発病した葉は、葉裏を見ると白い分生子(粉のような白いカビ)が見られるのが特長です。

2月~3月頃の育苗期間中のレタスでは、苗床でもよく発生しますので、ハウス内の湿度が高くなりすぎないように注意しましょう。


レタスべと病の被害例(発病初期)




農薬に頼らないようにするためのレタスべと病対策(耕種的防除方法)

どうしても農薬に頼りたくないという方は、とにかく病害を出さない管理を徹底するしかありません。


べと病に限定する内容ではありませんが、病害の発生や害虫の侵入を避ける為の一般的な耕種的な防除方法を以下に挙げておきます。


●育苗場所をできるだけ清潔に保ち、ハウス内外の除草作業を徹底する。
●育苗中は適度なかん水に努め、過湿や過乾燥にならないよう配慮する。
●生育具合に応じて、トレイやポットをずらす事で通風や採光に配慮する。
●育苗中に生育不良株や発病株が見られた際は、見つけた段階で離れた場所に持ち出し処分する。
●育苗期間中は、別の植物等の持ち込みを行わない。
●多湿条件下で病気が蔓延しやすくなる為、トンネル被覆後は換気に努める。
●被害株や被害残渣は見つけ次第抜き取り圃場外で土中深くに埋める等の対策をとる。


害虫対策の耕種的防除を挙げればもう少しありますが、病害となるとおおむねこのような感じです。

とにかく湿度をコントロールし、作物自体を健全な状態でキープする事が重要です。

しかしながら、これらの作業を徹底して行ったとしても、例えば近隣でべと病が多発していたり、不健全株の発見が遅れたりすると、どうしても病害が出てしまう事が有ります。

その場合は薬剤防除に頼らざるを得ない状況となりますので、病害の発生に応じた薬剤散布を行うようにして下さい。


レタスべと病の登録農薬について

以下は、2020年2月現在の登録農薬です。

農薬の登録内容は変わる場合や削除になる場合がありますので、ご利用になる際は、販売店やメーカーHP等を確認するようにして下さい。
基本的には農薬の販売有効年月内であれば、製品ラベルに書いてある登録内容通りの使用が可能となっていますが、市場や生協等の出荷先で使用農薬が制限される場合もあると思いますので注意して下さい。


以下、( )内は個別に製品が存在する物は略称を入れてありますが、製品の無い物は成分名を記載してあります。

(レ)=レタス (非)=非結球レタス に登録がある農薬。


F:〇〇は、FRAC(エフラックまたはフラックと呼ばれる)のコード番号です。

これまで、「〇〇系統」と呼ばれていたくくりが簡略化されるようになりました。

FRACコードを意識して薬剤選定をする事で、同系統の薬剤散布を行うリスクを避ける事ができますし、耐性菌対策にもなります。


(レ)シトラーノフロアブル(有機銅(F:M01)+ダコニール(F:M05))
(レ)ドーシャスフロアブル(ランマン(F:21)+ダコニール(F:M05))
(レ・非)ベジセイバー(アフェット(F:7)+ダコニール(F:M05))
(レ・非)ダコニール1000(F:M05)
(レ)ダコレート水和剤(ベンレート(F:1)+ダコニール(F:M05))
(レ・非)アミスター20FL(F:11)
(レ)オロンディスウルトラSC(ゾーベック(F:49)+レーバス(F:40))
(レ)キノンドー水和剤40(有機銅(F:M01))
(レ)ザンプロDMFL(アメクトラジン(成分名 F:45)+フェスティバル(F:40))
(レ・非)シグナムWDG(ピラクロストロビン(成分名 F:11)+カンタス(F:7))
(レ・非)ゾーベックエンカンティアSE(ゾーベック(F:49)+ファモミサドン(成分名 F:11))
(レ・非)ゾーベックエンカンティア (ゾーベック(F:49)+ファモミサドン(成分名 F:11))
(レ・非)ピシロックフロアブル(F:U17)
(レ・非)フォリオゴールド(リドミル(F:4)+ダコニール(F:M05))
(レ)プレビクールN液剤(F:28)
(レ・非)メジャーフロアブル(F:11)
(レ・非)ヨネポン水和剤(有機銅 (F:M01))
(レ・非)ライメイフロアブル(F:21)
(レ・非)ランマンフロアブル(F:21)
(レ・非)レーバスフロアブル(F:40)
(野菜類)ゼットボルドー水和剤(無機銅 F:M01)
(野菜類)クプロシールドフロアブル(無機銅 F:M01)


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レタスべと病に対するローテーション構築のヒント。

一般的に、アミスターやメジャー等、ストロビルリン系のF:11グループの物は、定植以降の生育期での使用がお勧めです。

ストロビルリン系の薬剤は、育苗期中は薬害リスクが高い為、使用は避けましょう。
また、ミックスパワー等の浸透性を高めるような展着剤との混用も薬害リスクが高くなる傾向にありますので避けるようにして下さい。

生育期中の薬害リスクを軽減する対策としては、できるだけ早く薬剤を乾かす事が重要です。
いつまでも乾かないような状況は薬害を助長する場合があります。

ドライバー等の速乾性の展着剤を用いるのも非常に有効です。


育苗期中に用いられる代表的な農薬としてはフォリオゴールドプレビクールNザンプロランマンレーバス等。

特にフォリオゴールド当たりはダコニール成分を混合している為、育苗初期の苗を総合的に予防するのに役立ちます。


生育期中のべと病に対する予防高価の高い剤としては、オロンディスザンプロピシロック等も有効です。

オロンディス(別記事でも紹介)やザンプロは「予防+治療効果」がありますので、病気の発生初期の内に対処しておけば被害の拡大を防ぐ事が出来ます。
ピシロック(別記事でも紹介)については予防主体の薬剤ですが、予防高価は非常に高い薬剤です。
湿度コントロールが難しい時等に入れておくと良いでしょう。


銅成分を含む物は、糸状菌(カビ)による病害だけでなく細菌病害に対しても有効な予防対策剤なので、総合的な予防効果が狙えますが、結球作物の場合は、基本的に結球期前までの使用を推奨しています。

結球してからの使用は、汚れの問題や、温度条件等による薬害リスクを伴いますので注意が必用です。

高温時期を避ければ結球後も薬害の発生が見られない場合も多々ありますが、ケースバイケースですので、どうしてもやりたいという方は自己判断でやってみて下さい。

ダコニールを含有する混合剤についても、幅広い病害防除ができますので、予防主体のローテーションを組んでおくと数種類の病害対策になります。
普段から使われている方も多いと思いますので、混合剤を含め、どれか1剤でも加えてみるのをお勧めします。



まとめ

という事で、今回はレタスのべと病についてピックアップをしてみました。

レタスべと病の薬剤は一見すると多いイメージですが、治療効果(病害の侵攻を止める効果のある)剤は限定的で予防剤が大半を占めます。

ある程度ストッパーとなる薬剤はあるものの、多発させてしまうと生育の遅延や商品ロスにもつながりますので、定期的な防除を行うように配慮して下さい。

シグナムなのどようにべと病以外の糸状菌病害にも効果のある薬剤を多用したくなる人も多いかと思いますが、べと病単体で発病しているような場合には、べと病の専門剤を用いて叩くというのも効果的ですし、効果も出やすいです。

近年は温暖化により2月前後でも比較的暖かい日が多くなってきました。
これまでには見られなかった時期に、ちょっと早すぎじゃないの??というような病害虫が出る事も有ります。

特にハウス内での苗床、トンネル内のレタスは湿度が高くなるとべと病発生のリスクも高くなりますので、換気+薬剤防除(予防)で対策を取って頂ければと思います。


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