葉菜類の苗床の害虫対策にベネビアODとサフオイル乳剤を使ってみました。

大型葉菜類の生育期使用では、混用もだいぶ緩和され使い勝手が良くなっているベネビアODですが、オイルベース商材という事も有って苗床での使用はあまりお勧めされていません。

主成分はベリマークSCやプリロッソ粒剤と同じ「シアントラニリプロール」です。
アベイル粒剤やミネクトデュオ粒剤にも含まれている成分ですね。

個人的に、シアントラニリプロールは安全性の高い成分という印章があるものの、ベリマークSCも灌注処理は育苗期後半からですし、ベネビアのように癖が有りそうな農薬は、幼苗や苗床に対しての使用についてはちょっと躊躇してしまうところが有ります。

今回は、夏場の高温条件下でベネビアODの苗散布を実際にやってみる事にしました。



苗床に静かに忍び寄る害虫たち

アブラナ科野菜を加害するチョウ目害虫としては、シンクイムシ(ハイマダラノメイガ)、コナガ、ヨトウムシ、ハスモンヨトウ、ウワバ等が居ます。
レタス系であればタバコガ類にも注意が必要です。

チョウ目害虫については過去記事にも書いていますので、関心が有ればチェックしてみて下さい。


無消毒の状態が続くと、知らず知らずのうちにチョウ目害虫等が食害してきます。
画像は8月6日に試し播きして放置していた白菜の苗ですが、8月28日時点で確認してみた所、いくらか加害されるようになってきました。

薄皮一枚を残したような食害痕も見られますが、若齢のヨトウも薄皮一枚を残したような食べ方をする事もあるので、この時点ではコナガなのかヨトウなのかちょっとわかりません。

よく観察してみると矢印部分に1匹居ました。
シャクトリ状には歩いていないのでウワバではなさそうです。
コナガかな?ヨトウかな?
サイズ的にヨトウっぽいですが判断が難しい。
ヨトウムシ類の場合、卵塊(卵のかたまり)で産卵する為、1つの株に対して複数匹が発生する事が多いのですが、今年は苗床で卵塊は見かける事も無く、幼虫も1つの株に1~2匹しか見えないような事もあり、ちょっと変な感じです。
トレイの近くに卵塊があって、そこから入ったのかもしれませんね。


別のトレイも食害痕が見られます。


ハモグリ系なんかも侵入してきます。
絵描き痕が特長的ですね。


さすがにこのままだと虫の食害が酷くなってきてしますので、この辺りで1回消毒をしてみる事にしました。
安全性を考えるとアファーム乳剤あたりをサッとかけておきたい所ですが、今回はベネビアODとサフオイル乳剤を使って散布してみる事にしました。



苗床にベネビアODとサフオイル乳剤を散布してみる。

ハンドスプレーでベネビアODとサフオイル乳剤を混用して散布してみる事にしました。

ベネビアODは2000倍希釈。
サフオイルは1000倍希釈での使用です。
8月29日散布。
あえて連日30℃以上の酷暑時期に散布してみました。


サフオイル乳剤は、野菜類登録の使用だと300~500倍希釈になります。
登録上は、ハダニ類・チャノホコリダニ・コナジラミ類・うどんこ病となっています。

登録外倍率かつ登録外使用目的になりますが、以前メーカーさんがコナガの卵に対して1500倍使用でも殺卵作用があるという話をしていたので、試しに混用してみる事にしました。

今回は1500倍ではなく1000倍希釈での利用です。
このくらいの薄い倍率であれば油浸斑が出る心配はないと思いましたが、30℃以上の高温条件下での散布です。
散布後の高温条件下での放置で様子を見たかったので、再確認も兼ねています。

サフオイル乳剤は展着剤添加が必須となる製剤ですが、ベネビアOD自体が展着効果を持っていますので、今回は使用しない事にしました。

動噴で散布するのとは異なりますが、全体的にしっとり濡れるように散布しています。
ベネビアのオイルが効いているのだと思いますが、展着剤を入れた時のようにしっかり濡れます。

画像はキャベツとブロッコリー。
ハンドスプレーでの散布なので、株全体はしっとり濡れるように散布していますが、土に落ちる水量は噴霧器等と比べると少なめです。

1日放置してみても目立った薬害は見られませんでした。
個人的な感想ですが、サッとかける程度であれば思いのほか薬害リスクは無いのかもしれません。


9月3日にも同じ条件で散布してみました。

高温条件下ですが、こんな感じで全体的にしっとり濡れるように散布してみましたが、大きな薬害症状は見られませんでした。




苗床散布でのベネビアOD+サフオイル乳剤での効果は?

散布後1時間くらい経ってからの様子です。

葉っぱについていた幼虫が下に落ちています。
突いて様子を見てみましたが、この時点で動きとしてはだいぶ鈍いです。


散布後数時間後の様子。
他の株に付いていた幼虫も落ちています。
ジアミド系薬剤の特徴ですが、いくらか体が萎縮しているようにも見えます。


拡大してみた感じ↑



日にちを変えて他の幼苗にも散布してみました。

同じ倍率で9月4日に散布してみました。
画像は朝7時台に散布した時の様子です。
7時台にもかかわらず30℃近い温度の中で散布しており、その後は天候も良かった為、日中は30℃オーバーの中で観察しています。
ちなみに今回薬剤散布した各トレイは、温室ではなく外での散布、外での管理で様子を見ています。

画像左から、レタス(フリフリッカー)、キャベツ(サカタ・早生富士)、ブロッコリー(緑嶺など)

8月23日に播種したフリフリッカー
まだ幼苗ですが、特に葉焼けや萎縮は見られませんでした。


サカタ早生富士
若干種割れ葉の縁が丸まったようにも見えますが、枯れ込むような症状は見られませんでしたし、この後の経過観察では新葉展開が見られました。


ブロッコリーもキャベツと同じ様な感じですが、枯れ込むような症状は見られませんでした。
その後の観察でも新葉展開も見られましたので問題なさそうです。


8月23日に播種した白菜にも散布してみました。

ハンドスプレーによる散布ですが、薬液が滴るくらいの散布です。
この後、経過観察しましたが、褐変などの症状は見られませんでした。



注意した方が良いかな?という株もありました。

画像は8月8日に播種したブロッコリー。

ベネビア+サフオイルで散布した株です。

日よけ無しの炎天下に数時間放置した事が直接的な原因だと思いますが、葉縁の巻き込みや褐変が見られる株も有りました。
周りの苗と大きさが違うのは発芽のタイミングが異なる為。


比率でみると1枚のトレイの中で1~2株有るか無いか…という具合ですので、特に問題視しなくても良いかもしれません。

先に挙げた幼苗よりはこちらの方がサイズ的には大きい苗なので、恐らく葉の上に水が溜まった所に直射日光と猛暑を受けての「焼け」だと思われます。

散布した薬剤が褐変を助長している可能性は無いとは言い切れませんので、やはり薬剤散布した物は高温時の直射日光は危ないと思います。

癖が有りそうな物は、なるべく高温時と直射日光を避けるのが無難ですね。




まとめ

という事で今回は、大型葉菜類の苗に対して「ベネビアODとサフオイル乳剤」を使ってみた!というお話でした。

記中にも書いた通り、あからさまに目立った薬害症状は見られませんでしたが、ハンドスプレーと噴霧器散布とでは異なる部分も有ると思いますので、実際にお使いになる際は十分注意して利用して下さい。

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