農薬登録の少ないマイナー作物に使える農薬や、殺菌効果も狙えるM.O.X等ついてレビューします。

生産量の多い作物は使える農薬が沢山有りますが、生産量が少ない作物の場合は使える農薬が少なくて防除に困る場面が有るのではないでしょうか?

メーカーさん的には、研究開発費の回収や大きなリターンを狙いたいので、新しい農薬等はメジャーな作物を中心に農薬登録を取っていきます。

ですが、一部の地域でしか作られていない作物や、国内の生産量が少ない作物の場合(これらを総じて、このページではマイナー作物とくくらせて頂きますが…)、使える農薬はかなり制限されてしまいます。
需要が見込めない場合は登録の維持が難しくなり削除になるなんていうケースもあるわけです。

生産量の少ないマイナー作物の場合、使用できる農薬にはかなり制限が有ります。
特に「殺菌剤」は登録が少ない!

そんな中で使える農薬や資材について紹介していこうと思います。



マイナー作物といえば「野菜類登録」の農薬!まずは殺虫剤関係をチェック。

マイナー作物の場合、個別に登録のある薬剤を除き、使える農薬は「野菜類登録」の農薬が主軸となります。

以下に殺虫剤と殺菌剤をピックアップしておきます。

ただし、農薬登録は削除になったり変わったりする場合が有りますので、実際に購入される前にメーカーさんのHP等で確認するようにして下さい。

野菜類登録はかなり大きなくくりですので、全てのマイナー作物に対して、個別に薬害のチェックや混用のチェックができていないケースが有ります。

初めて使うような薬剤の場合、必ず使用量や倍率を守るようにしてください。
混用についてもあまり混ぜずに、まずは単剤で小面積散布を行って、害が出ないかどうかを確認してから全面に使う事をお勧めします。

注意事項を確認し、高温時の散布や軟弱徒長気味の状態での使用は避けましょう。



野菜類登録の殺虫剤(2019年時)

■野菜類登録の殺虫剤(2019年時~)

農薬の登録内容は不定期に抹消、変更になる場合が有ります。
ご利用になる際は、メーカーHP等で最新の登録内容や注意事項を確認してから使うようにして下さい。

野菜類登録の代表格、BT剤関係


ゼンターリ顆粒水和剤
エスマルクDF
サブリナフロアブル
ジャックポット顆粒水和剤
チューンアップ顆粒水和剤
デルフィン顆粒水和剤
トアローCTフロアブル
トアロー水和剤CT
バシレックス水和剤
フローバックDF
デルフィン顆粒水和剤

これらのBT剤は、主にアオムシやコナガ・ヨトウムシ等を対象にした物が多く、その違いは含有する殺虫たんぱくの種類によって効果差があります。

これらの殺虫剤は、基本的には小型のチョウ目害虫に有効と言えますが、剤によってはシロイチモジヨトウ等にも登録を持っています。

コナガを主体とする場合、チューンアップあたりが関東の生産現場では多用されています。
ヨトウムシを対象とする場合、フローバックDF等。

BT剤の中には、ALL作物で安全に使える!というわけではなく、サブリナ等のように一部の作物に対して薬害に注意が必用な製剤もありますので、個別に注意事項を確認して下さい。

BT剤は、基本的に若齢の内に叩かないと効果としては劣る傾向にあります。
使い方も害虫発生初期の内に使用するのがお勧めです。
即効性の物が多いので、生産現場で使う際には、マメに薬剤散布を行うか、(作物登録が有ればですが…)遅効性の薬剤との混用散布がお勧めです。

例えば、脱皮阻害・促進のIGR系であったり、トルネードエースDF、アクセルフロアブル、フェニックス顆粒水和剤、プレバソンフロアブル5、ベネビアOD、ヨーバルフロアブル等のジアミド系薬剤等は薬効が比較的長い物が多いので、こういった剤と組み合わせると良いでしょう。


微小害虫に有効な気門封鎖剤関係。

ムシラップ
粘着くん液剤
アカリタッチ乳剤
フーモン
エコピタ液剤(JA品)
キモンブロック液剤(JA品)
アーリーセーフ
サンクリスタル乳剤
サフオイル乳剤

別ページで気門封鎖封鎖系薬剤の特集をしています。
関心があれば、そちらのページもチェックしてみて下さい。
気門封鎖剤特集ページ

これらの薬剤を除くと、残りは天敵農薬のみとなります。
露地栽培では使い勝手が悪くなる商材ですので、ご自身が作られている作物から判断して下さい。

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野菜類登録薬剤の殺菌剤をチェック。

次に野菜類登録薬剤の殺菌剤について紹介していきます。

他のページでもちょこちょこと紹介はしておりますが、野菜類登録の殺菌剤は、銅成分剤が主軸となります。

銅イオンで作物を事前にコーティングし、病害の侵入を阻むという予防スタイルで押し通すような形となりますので、マイナー作物の場合は「治療を狙った殺菌剤」を求めるのはかなり厳しいのが現状です。



野菜類登録の殺菌剤(2019年時)

軟腐病、斑点細菌病、褐斑細菌病、黒腐病、べと病等を対象とした場合は、やはり銅成分含有農薬が主軸です。

■ジーファイン水和剤(炭酸水素ナトリウム+無機銅)
■コサイド3000(無機銅)
■Zボルドー水和剤(無機銅)
■クプロシールドフロアブル(無機銅)
■ケミヘル水和剤(バチルス ズブチリス+無機銅)

細菌やバクテリアによる病害の予防は、銅成分剤の入った物に頼る形となります。
剤によっては作物によって薬害に注意が必用な物も有りますので、注意事項は必ず見るようにして下さい。
幼苗期の散布で薬害を起こす場合も有りますので注意が必用です。

どうしても予防的に散布したいという場合は、効果がブレるかもしれませんが、登録にある使用倍数よりも薄めて使ったり、浸透性を高めるような展着剤を避けたりといった工夫が必要です。


灰色かび病、うどんこ病、さび病等を対象とした場合

■ジーファイン水和剤(炭酸水素ナトリウム+無機銅)
■ハーモメイト水溶剤(炭酸水素ナトリウム)
■カリグリーン(炭酸水素カリウム)


うどんこ病を対象とした場合

■イオウフロアブル(硫黄剤)
■クムラス(硫黄剤 ハダニ登録も有り)


微生物殺菌剤という選択肢もあります。

■アグロケア水和剤(バチルス ズブチリス)
灰色かび病・うどんこ病

■インプレッションクリア
(バチルス アミロリクエファシエンス)
灰色かび病・うどんこ病

■ボトキラー水和剤
(バチルス ズブチリス)
灰色かび病・うどんこ病

■タフパール
(タラロマイセス フラバス)
うどんこ病

■セレナーデ水和剤
(バチルス ズブチリス)JA品
灰色かび病・うどんこ病

■バイオキーパー水和剤
( 非病原性エルビニア カロトボーラ)
軟腐病


この中で、インプレッションクリアは他のバチルス菌より低温下でも効果の高い菌を用いています。
また、化学農薬との相乗効果もある為、安価で使い勝手の良い殺菌剤です。

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バイオキーパーは、病害として発病しない「軟腐病菌」を用いた殺菌剤です。
1つの病原菌を事前に作物に寄生させておく事で、他の病害を入りにくくする効果があります。
棚持ち効果もありますので、収穫直前に散布しておくのもお勧めです。

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微生物農薬は、殺菌剤や展着剤との相性がありますので、混用については事前に小売店またはJAに確認を取るか、メーカーサイトなどでチェックして下さい。


種子消毒で使う野菜類登録の殺菌剤

フザリウム菌、リゾクトニア菌が対象
■ホーマイ水和剤(チウラム+チオファネートメチル)
■ベンレートT水和剤20(基本JA品 チウラム+ベノミル)

アルタナリア菌が対象
■ロブラール水和剤(イプロジオン)

ピシウム菌・リゾクトニア菌が対象
■オーソサイド水和剤80(キャプタン)

リゾクトニア菌が対象
■バシタック水和剤75(メプロニル)

フザリウム菌が対象
■ベンレート水和剤(ベノミル)

種子消毒剤というのは、一部の農薬を除き、立枯病対策で用いる事が多いです。
基本的に購入種子であれば、チウラム成分かキャプタン成分で消毒されていますので、自分で採取した種子でない限りは基本的には不要とされています。

立枯病等についても、使用するトレイが清潔で、よほど砂ぼこりが入るような所や、換気ができないような悪環境で生育しない場合、購入培土を用いていれば過度な心配は不要です。
立枯病などの病害が出てしまうような場合、上記について見なおしてみて下さい。

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実は殺菌剤としての効果もあるM.O.X

M.O.Xは、保土ヶ谷UPLという会社が製造元の酸素供給資材です。

主な使用目的はおおむねこんな感じです↓

成り疲れ対策
根痛みの改善
肥料吸収の向上
湿害対策
硬く締まった圃場緩和
堆肥や有機物を入れた圃場に投入→好気性菌を活発化


この中でも特に降雨による土壌の締まり、根の酸欠に対してのレスキュー資材としての使用は、非常に高い効果が有ります。

M.O.Xは、土壌中に酸素を速やかに供給して土壌環境を改善する事を目的としており、本剤を潅水することで、根の呼吸を助け、根の張りを旺盛にします。

根が傷むと、酸素の吸収だけでなく肥料成分の吸収も減少します。

それにより作物の免疫力も落ちる為、病害にかかりやすくなるというデメリットも発生するわけです。
ですので、降雨が無い時にも使用する価値は大いにあると言えます。

酸素供給時間は1日以内と短いものの、散布後に大量の酸素を発生させるので速効性があります。

通常ローテーションで入れ込んでいく場合には、おおむね10日程度の間隔で十分ですが、ゲリラ豪雨や長雨により、根に痛みが生じそうな場合には、降雨あけ直ぐにM.O.X5日間隔くらいでの散布をお勧めします。

基本仕様倍率は100倍ですが、降雨後の湿害対策の場合は、50倍で使用します。
50倍より濃くしてしまうと、薬害が起こりやすくなる為、お勧めしません。


さて、ここからが裏技ポイントとなりますが、見出しにも書いたように、M.O.Xは化学反応で酸素を発生させる商材です。
M.O.Xは、土壌に処理すると、酸素を発生させたのち、水が残ります。

私は理系では無いので化学にはめっぽう弱い方ですが、化学式にするとこんな感じになります↓

2H2O2 ⇒ 2H2O(水) + O2(酸素)

水はH2Oですが、化学式だと2H2Oという表記になります。

チラシやメーカーサイトでは紹介されていませんが、M.O.Xは過酸化水素(いわゆるオキシドール)です。

オキシドールといえば一般用医薬品です。
主な用途は傷の消毒や洗浄に用います。

残効性はありませんので、その場に付着している雑菌類を洗い流すといった感じになりますが、実はM.O.Xは、かなり昔は農薬として扱われていたという経歴が有ります。

現在、メーカーとしては殺菌効果は一切うたっておりませんし、積極的なアナウンスはゼロです。
効果の有無、使用の有無は、あくまで自己判断で行って下さいというスタンスとなります。

オキシドールは、細菌関係に対してものすごく強力に効くという物ではありませんが、効果がゼロというわけでもありません。

M.O.Xは、殺菌剤の登録が少ない作物の場合、定期的に用いる事で作物の健全化を図るのにとても役立ちます。

注意点としては、無機銅剤や強アルカリ性剤、鉄などの金属を含有する液肥との混用はできません。
特に鉄を含有する物と混用した場合、酸素が激しく発生する為、M.O.Xの効果が十分得られません。

基本的に使用する場合は単剤で用いる事をお勧め致します。



まとめ

登録農薬の少ない作物(マイナー作物)は、殺虫剤も殺菌剤も使える物がかなり制限されます。

これらのマイナー作物を作られている場合は、 「野菜類登録」の殺虫剤や殺菌剤が防除剤の主軸となりますので、とにかく予防先行で防除していく事が重要です。

特に殺菌剤に関しては、治療効果を狙った殺菌剤は無いといっても良いくらい制限されますので、日々の作物の変化に注意しながら、病気を入れないような圃場管理、注意をして頂ければと思います。

野菜類登録の農薬は、病気が入ってから抑えるような物はほとんど無い為、最悪止める事が出来ない場合があるからです。

そんなマイナー作物を作るに当たり、かなり役立つ資材としては、M.O.Xがあります。
本来の目的は酸素供給資材ですが、中身はオキシドール製剤ですので、殺菌効果を狙って使用する事もできます。

メーカーとしては殺菌剤としての使用は推奨しておりませんので、自己判断での使用となりますが、個人的にはお勧めの商材です。

少しでも皆様のお役に立つ情報になっていれば幸いです。


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