キャベツ黒腐病についての生態と防除対策について(お勧め農薬等を紹介!)

このページでは、アブラナ科野菜の代表作物であるキャベツの黒腐病について、生態と防除対策について紹介していきます。

お勧めの農薬情報、登録薬剤等についても紹介していきます。


キャベツ黒腐病とはどんな病気か?

キャベツ黒腐病は、ザントモナス・キャンペストリス pv.キャンペストリスという細菌によって発症する病気です。

この病原細菌は、キャベツに限らず、ブロッコリーや白菜など、多くのアブラナ科野菜に感染します。

とても乾燥に強い菌で、被害を受けた作物の残渣にまじって土壌中で越冬し、次作に影響を与えます。

感染すると作物の導管を通って菌が一気に広がる厄介な病害です。



キャベツ黒腐病の感染経路について

一般的な感染経路は主に以下の3つです。

①大風・大雨・害虫による食害等によって傷つけられた根や葉の傷口部分から侵入する。

②葉の水孔部分から侵入する。

③種子伝染により感染する。


①と②に共通する部分としては、泥跳ねや散水による感染です。
③については、種取りは基本的に病気が発生した作物からは取りませんので、購入種子の場合は問題が無いと考えられていますが注意が必用です。

キャベツ黒腐病は、昆虫の加害によって傷んだところから菌が侵入する事でも感染する病害ですが、昆虫からの媒介で発病するウイルス病害とは異なります。


キャベツ黒腐病の発症のサイクル、症状等について

この病害は、幼苗期から結球期以降まで、全ての生育期間中に発症します。

葉縁部分から内側にかけて、いびつなV字枯れを生じる為、目視でもわかりやすい病害です。
発病が激しい時は、茎や根の維管束が黒変します。


結球前の黒腐病症状↓ 

生育初期段階でも発生する厄介な病害です。



キャベツ黒腐病が発生しやすい時期や条件について

キャベツ黒腐病が発生しやすい時期は、主に春(5月頃)と秋(9月~10月頃)に集中します。
発病適温は15℃~30℃とされています。

比較的低温で雨が多い年は発生しやすい傾向が有るので特に注意が必用です。

曇天や雨が続く時は、光合成ができなかったり根が傷んできたりと作物自体が弱ってくる為、発病リスクが高まります。

雨が続いて根痛みが起こりそうな時は、農薬散布だけに頼らず、MOX等の酸素資材の導入や、発根を促進するような液肥を上手に活用しながら対策を行うようにして下さい。



キャベツ黒腐病の耕種的防除方法について

これができれば苦労しないよ!という感じですが、アブラナ科野菜の連作を避けるといった対策があります。
県によっては、多発圃場対策として、イネ科やマメ科の作物などを作付けし、3年以上輪作するといった方法も推奨されています。

しかしながら、専業で生産されている方の場合は難しいと思いますので、どうしても作付けしなければならない場合は、黒腐病に対しての抵抗性品種を作付けするようにしてください。

圃場の排水を良くし、施肥については窒素過多にならないよう配慮する事も大切です。

被害残渣についても、可能な限り圃場外へ持ち出して処分するようにしましょう。

種子消毒については、51℃~53℃で10分間の温湯浸漬、または70℃で3日間の乾熱処理するという方法が有ります。


キャベツ黒腐病の登録農薬について

以下、キャベツ黒腐病の登録薬剤です(2019年時点)。
FはFRACコードを指します。


≪定植時に使用する農薬≫  
■オリゼメート粒剤(F:P02)

≪抗生物質系≫
■アグリマイシン-100水和剤(F: 41・25)
 ストレプトマイシン剤とオキシテトラサイクリンとの混合剤。
■アグレプト液剤・水和剤(F:25)
 ストレプトマイシン剤
■カッパーシン水和剤(F:24・M01)
 カスガマイシン剤と無機銅剤との混合剤
■バリダシン液剤5(F:U18)
■ドーマイシン水和剤(F:25・M01)
 ストレプトマイシン剤と有機銅との混合剤。
■マイコシールド水和剤(F:41)
 アグリマイシンの片割れ、オキシテトラサイクリン。

抗生物質系統の薬剤は、予防+治療効果のある薬剤が多いですが、多発条件下だと止めきれない場合も有りますので、私としては、銅成分剤等を予防的に用いながら対処する事をお勧めしています。

ストレプトマイシン剤は、植物の生長が活発なタイミング(温度条件が高い時や日差しの強い時期)等は、色抜け等の薬害症状が出ます。
生産現場では、意図して生育を遅らせる為に使う場合も有るようですが、使用する際は結球期前までが無難です。


≪銅成分剤関連・無機銅剤 (予防主体)≫
■ゼットボルドー水和剤(野菜類登録 F:M01)
■クプロシールドフロアブル(F:M01)
■ベフドー水和剤(F:M07・M01)
 ベルクートと無機銅との混合剤。
■コサイド3000(F:M01)

無機銅を含有する製剤は、悪条件下だと葉の褐変などの薬害を生ずるため、クレフノン等の薬害軽減剤の使用をお勧めします。


≪銅成分剤関連・有機銅剤 (予防主体)≫
■キノンドーフロアブル(F:M01)
■シトラーノフロアブル(F:M01・M05)
 有機銅とダコニールとの混合剤。
■ドキリンフロアブル(F:M01)
■ヨネポン水和剤(F:M01)


≪オキソリニック酸剤 (予防+治療)≫
■ナレート水和剤(F:31・M01)
 スターナの成分と有機銅との混合剤。


≪微生物資材 (基本は予防)≫
■ベジキーパー水和剤(F:未)
■マスターピース水和剤(F:未)

発病前の定期的な予防散布がお勧め。
ベジキーパーに至っては、収穫直前処理で棚持ち効果が期待できます。


≪黒腐病登録は持っていないが、効果が期待できる農薬≫
■スターナ水和剤(F:31)
 同じザントモナス属病であるレタスの斑点細菌病にも登録有り。
■ソタールWDG(F:31・14)
 スターナ+リゾレックスの混合剤。


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銅成分剤の使用時期は、作物体への汚れや薬害リスク対策として、基本的に結球前までの使用を推奨しています。
使用した際は、速やかに乾かすようにして下さい。
いつまでも薬液が乾かない状況にあると、褐変症状等の薬害リスクが高まります。

また、銅成分剤と他の農薬を混用する際は、希釈後すぐに使い切るようにしましょう。
長時間おいてしまうと混用する剤によってはタンク内で化学変化が生じ、混合した薬剤の効果が落ちてしまう事が有ります。



まとめ

以上、キャベツ黒腐病について紹介させて頂きました。

キャベツ黒腐病の厄介な所は、作付期間のALLステージで発症する病害という事です。
発生が増える時期(春と秋)に雨がマメに降る際は注意が必用です。
生育の初期段階から予防を徹底しましょう。

銅成分剤やカルシウム資材を用いながら堅く育てつつ、ローテーション防除が抜けないよう気を付けましょう。
害虫による食害痕からの菌侵入もありますので、殺虫剤についても対策を行って下さい。


雨等で土がしまって酸欠になってしまうような時には、作物の免疫力が下がってしまい、病害に対して弱くなる傾向が有ります。
そうなってしまうと、より発病が助長されてしまいますので、酸素資材や発根促進剤を用いて対策を行って下さい。

一度病害が出てしまった畑は、残渣とともに菌が土中で生存しますので、できるだけ発病株は外で処分してもらいたいところですが、大抵は作業の都合上、ロータリーをかけて漉き込んでしまうと思われます。

ですので、そういった圃場の場合は、可能であればアブラナ科の連作を避け、同じザントモナス病害で困る作物を避けるといった対策を取って下さい。

それらが厳しい場合は、土壌消毒や菌体資材を定期的に導入し、病害が発生しにくい環境を作るようにしましょう。


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