微酸性電解水(次亜塩素酸水)を農業用殺菌剤として活用する技(インフルエンザやコロナ対策にも有効です)

世間では新型コロナウイルスの影響でアルコールに代わる消毒剤に注目が集まっていますね。

大和市の「微酸性電解水(次亜塩素酸水)生成器の導入」なども注目されています。

次亜塩素酸ナトリウムっていうのは聞いた事があるけれど、次亜塩素酸水って何だ??と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

この2つ、名前は似ていますが性質が全く異なります。

今回は、この次亜塩素酸水について取り上げつつ、「農業場面にも活用できますよ」という内容で書いていこうと思います。

一例として今回はアクアサニターという微酸性電解水(次亜塩素酸水)商品について取り上げてみようと思います。


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微酸性電解水(次亜塩素酸水)とはこんなものです。

微酸性電解水(次亜塩素酸水)は、塩酸または塩酸に塩化ナトリウム水溶液を加え、適切な濃度に調整した水溶液を無隔膜電解槽で電気分解する事で得られる次亜塩素酸を主成分とする水溶液の事を指します。

pHは5.0~6.5なので、中性に近い弱酸性で酸味もありません。
ちなみに中性はpH6.0以上8.0以下でpH7が純水になります。
水道水は5.8~8.6とされています。
人間の素肌のpHが4.5~6.0とされています。
ですので、微酸性電解水(次亜塩素酸水)は、体内に入っても害にはなりません。
有効塩素濃度は10~80ppmを示す殺菌作用が高い電解水です。


pHと液性についての基準は…

pH3.0未満の物を酸性
3.0以上 6.0未満の物を弱酸性
6.0以上 8.0以下の物を中性
8.0以上 11.0以下の物を弱アルカリ性
11.0以上の物をアルカリ性

というふうに分けています。


次亜塩素酸ナトリウムは、水酸化ナトリウム水溶液に塩素を加える事で作ることができる物で、pHは7.8~9.0の範囲となっており、水溶液は弱アルカリ性です。
過度に摂取してしまうと人体には害(ガブガブ飲んだりした場合)となります。
人が摂取する水と考えると、あまりよろしくない水になります。
ちなみに次亜塩素酸ナトリウムと希塩酸を混合した水溶液も次亜塩素酸水ではありません。

ちょっと難しいかもしれませんが、ざっくり要約すると、微酸性電解水(次亜塩素酸水)は、人体に害はないけれど殺菌効果が高い!という点と、人体に有毒なアルカリ性質である次亜塩素酸ナトリウムとは違うよ!という所がポイントです。


微酸性電解水(次亜塩素酸水)は従来食品分野で用いられた次亜塩素酸ナトリウムより塩素やナトリウムの濃度が低いのにも関わらず殺菌力が高いという事で、安全性の確保とコストや環境配慮ができる点で用いられています。
一般的には食品添加物の殺菌料に指定されており、食品関係の業界では普通に使われていたりします。

食品添加物としての指定の範囲は次のとおりです。

①名称は「微酸性次亜塩素酸水」
②2〜6%塩酸を無隔膜電解槽内で電解して得られる水溶液の事。
③含量は有効塩素濃度10〜30mg/kg(ppm)
 pH:5.0~6.5である事


唯一のデメリットとしては、微酸性電解水(次亜塩素酸水)は次亜塩素酸の割合が高い為、次亜塩素酸ナトリウムより品質が落ちやすい特徴がある為、長期保存に向きません。



微酸性電解水・アクアサニターについて

微酸性電解水は色々なメーカーが取り扱っていますが、ここでは冒頭に挙げたアクアサニターという商材について取り上げながら微酸性電解水の特色について紹介していきます。


アクアサニターのpHは5.0~6.5のほぼ中性です。
このpHは素肌のpH(4.5~6.0)に近いpHとなります。
水道水がpH5.8~8.6なので、仮に飲み込んでしまったとしても害とはなりません。



微酸性電解水は、食中毒やウイルスの対策として非常に有効な資材です。

アクアサニターの場合、一般的な細菌だけでなく、ウイルス等に対しても素早い除菌効果があります。

次亜塩素酸ナトリウムやエタノールは素人から見ると万能なイメージがありますが、実際は下記の表にもある通り除菌できる物は限定的です。

一方でアクアサニター(微酸性電解水)は、一般的な消毒薬では効きにくい菌に対しても除菌する力が有ります。
また、一般的な消毒利用を想定した場合、アルコールを使った時のように直後に物が劣化したりすることも無ければ白くなったり汚れたりする事もありません。




アクアサニターの空間除菌力と保存期間について

アクアサニターは、空中に噴霧する事により除菌と消臭を行う事ができるので、室内で利用する場合は加湿器での利用がお勧めです。

水道水で過湿する場合は、タンク内に水が残っていると日数の経過とともに細菌が増殖(腐ります)するので、掃除せず利用し続けた場合、放出される空気も汚くなってしまいますが、アクアサニターを噴霧する場合は、タンク内の除菌も行いつつ、空中の除菌と消臭がおこなえます。

アクアサニターの微酸性電解水は比較的保存安定性が高く、低温・遮光などによりさらに効果が長持ちします。

精製水(既製パック品)の場合、未使用状態では少なくとも6カ月~1年間は食品添加物規格の指定範囲(10〜30ppm)に適合します。
開封後は、(遮光されている状態で)約1か月以内に使い切る事が推奨されています。

総合的にはメリットばかりですが、上にも挙げたように保存できる期間が短いという点と、 細菌や有機物と接触すると、有効成分が分解されて除菌作用が消失てしまう為、残効が無いといった特徴もあります。

殺菌力は高いですが効果は瞬間的です。

その場にいる物をとにかく速攻で叩いて力尽きるような感じですね。

アクアサニターの精製水はアルミパックに入った状態で販売されています。
ハンドスプレーも直射日光が当たらないようカラーリングされています(遮光式になっています)。
次亜塩素酸水は紫外線に弱い為、遮光性の低い容器での利用は不向きです。

環境には優しい商材である事は間違いありませんが、販売する側としては保存期間が短いというのはデメリットですし、使用する側としては定期的に使わないともったいない製品となります。



アクアサニターの特徴について

アクアサニターは、低い有効塩素濃度で幅広い菌に殺菌作用を有します。
スペクトラムとしては、先に挙げた表の範囲です。
空中に噴霧する事で消臭作用、保湿作用もあります。

安全性が高いという点は非常に重要となる特徴です。
人が飲んでしまっても害にはならず、サビも出にくい(金属腐植性が低い)為、金属機器にも優しいといった特徴が有ります。

乾燥しても不純残留物がない為、加湿器利用もお勧めできます。
※市販品では中に含まれるパーツと相性が悪い物もあるようで、アクアサニター専用の加湿器が販売されています。

アクアサニターはいわゆる薬品とは異なる為、菌に対しても耐性菌ができにくいといった特徴も有ります。



各種菌類などに対する効果について

食中毒菌については、サルモネラ菌、黄いろブドウ球菌、大腸菌(O157)、腸炎ビブリオ菌、緑農菌、セラチア菌、リステリア菌などの除菌効果が確認されています。

病原性細菌については、コレラ菌、赤痢菌、薬剤耐性菌(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)、結核菌、レジネオラ菌などに除菌効果がある事が報告されています。

ウイルスに対しては、インフルエンザ、ファージへの不活化効果が確認されているほかに、ノロウイルスと同じ科のネコカリシウイルスやペットのパルボウィルスなどに対しても不活性化作用のあることが確認されています。
新型コロナウイルスに対しては、予防・防除効果を期待して注目が集まっている現状です。

コロナウイルスはインフルエンザウイルスと同様に、エンベロープを有する構造を持っており、微酸性電解水はインフルエンザウイルスを短時間で不活化される事が知られています。
このことから微酸性電解水は新型コロナウイルスにも不活化できると推定されています。

カビ類(糸状菌)に対しては、食品衛生上の観点から問題となるカビ、酵母に対しても除菌効果を示すと共に、加熱殺菌しにくい芽胞菌に対しても有効です。



微酸性電解水は汚染が激しい所に処理するのも有効なのか?使い方は?

厚生労働省のホームページにQ&Aページがあり、手や皮膚などの消毒を行う場合には消毒用アルコール70%を使い、表面の消毒には次亜塩素酸ナトリウム0.1%が有効である事がわかっているという明記が有ります。

微酸性電解水は低塩素濃度品である為、0.1%次亜塩素酸ナトリウム(1000ppm)ほどの効果はありません。
ですので、明らかに汚染がある所、汚染が激しい所に対しての使用は不向きとされています(もったいない)。


農業場面での活用を想定する場合、泥が付いているかどうか?でイメージするとわかりやすいと思います。

微酸性電解水は有機物に接触した瞬間、そこにある雑菌を瞬間的に除菌しますが、浸透性や移行性といった作用はありません。
ですので、泥の付着を落とさなければ、その下に居る雑菌は消毒できないという事になります。

作物に泥が付いている場合は、泥を落として使用しなければなりません。
ですので、泥を洗い落としつつ除菌するといった使い方が良いでしょう。

一般的な消毒においても同様で、汚染が明かな時は、十分な水量でバシャバシャと洗い流すように使うのが効果的です。
もしくは汚れをある程度ふき取って「地を出して」から消毒的に使うのがベターです。


アクアサニター(微酸性電解水)は農業場面で活用しやすい。

先にも挙げたように、微酸性電解水は空気中に噴霧する事で、その空間の雑菌類を除菌してくれます。

明かに汚染されている場合は、その部分を洗い流すように使う事が効果的です。

アクアサニター(微酸性電解水)は特定防除資材(特定農薬)・有機JAS規格にも登録されていますので、減農薬栽培や特別栽培等を行っている方で、化学農薬に頼りたくないという方などには特におすすめだと思います。

人体に害が無い為、マスクやゴーグル、手袋などの装備も不要です。

うどんこ病、灰色かび病対策だけでなく、各種雑菌類に対しても効果がある為、この特徴を農業に利用しないというのはもったいないでしょう。

現実的に利用しやすい栽培形式からすると、いちご、トマト、キュウリ、こまもの野菜等。
ハウス施設で栽培している作物は利用価値が高いと言えます。

あるいはレタス等、収穫時または収穫後に洗浄するような作物であれば、収穫後にも影響する雑菌をその場で除菌してくれるので鮮度保持にも貢献します。

施設栽培で使用する場合は、空調ダクトで霧状散水できるような装置が付いているようであれば、そこにアクアサニターを用いるというのも非常に有効です。
フォグ加湿器のような噴霧型の動噴装置を用いるのも良いでしょう。

調べてみた所、農業分野で既に使われている機械で、こんな物もあるようです。


このモーターフォグはアクアサニター(微酸性電解水)の散布に向いていると思います。
ミスト状で散布できるので、果実・作物の葉の両方を傷めずに水分補給と殺菌ができます。

メーカーさんのHP等を見た所、いちご屋さんあたりはこのモーターフォグを散水や液肥散布で導入している所もあるようですが、それだけの利用ではもったいないですよね。

農薬の場合は霧状散布の登録を持っている園芸薬剤は無いのですが、もしかしたら現場だと使われているのかもしれません。
ただ、この機械だとタンク容量が小さいので農薬の適正倍率での散布はあまり現実的ではないかなと思います。

微酸性電解水の散布であれば、定期的な散水を行う要領で殺菌効果も狙えるので良いでしょう。



アクアサニターは家庭で生成できる機械も販売されている

メーカーさんのHP上に生成機械が紹介されていました。

「アクアサニターユニットASU-LW-01」という商品。

別売りの専用カートリッジを用いる事で、標準水量200L/時間の微酸性電解水を生成する事が出来ます。
施設向けのタンクが300L前後を基準とすると、こちらの機種は農業用としても使えそうです。


他にも「アクアサニターメーカー」という5L生成機械もあるようです。
こちらも別売りのカートリッジを用いる事で生成するタイプとなります。


こちらは一般家庭やクリニック向けなイメージですね。

農業場面に転用する事を考えるのであれば、剪定資材の消毒であったり、野菜苗の仕立て屋さんなど、小面積で作物を管理しているところには扱いやすい規格ではないかな?と思います。



まとめ

という事で、今回は微酸性電解水(次亜塩素酸水)についてピックアップし、アクアサニターという商材を中心に農業場面への活用案についてまとめてみました。

最近は静電気ノズルといった散布器具を施設屋さんは多用している感がありますが、先に紹介したモーターフォグ等も面白いと思います。

アクアサニター(微酸性電解水)は、農薬では無いので浸達性や移行性はありません。

基本的にこれ単体で使う事を目的としていますので、農業現場で使う場合は作物の葉裏まできっちりかかるよう散布の時間、角度等の調整も必要でしょう。

アクアサニターを農業現場で活用する場合には、散布機の選定に加え、送風機等も上手に活用する事をお勧めします。

微酸性電解水自体は農薬ではありませんので、他の物と混合する場合、化学変化が想定される為、他の物との混合は推奨していません。
農薬の場合は化学薬品となりますので、特に効果が不安定になる事が想定されます。
アクアサニター単剤での利用をお勧めいたします。

展着剤等を入れたくなるところですが、効果が安定しないでしょう。


こう考えると、ブルームの強い水をはじく作物はダメだなと思われそうですが、基本的に作物全体にかかっていれば、水をはじいたとしても付着した部分の雑菌類は除菌してくると考える事ができますので、あまりナーバスにならなくても良いと思います。

関心を持っていただけそうであれば、チャレンジしてみて下さい。


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