アグリポイント ~農業現場の病害虫・栽培問題対策室~

野菜苗(育苗期間中)の害虫防除におすすめ。ミネクトデュオ粒剤。

ミネクトデュオ粒剤で苗管理 アイキャッチ

ミネクトデュオ粒剤は家庭菜園の方にもお勧めな殺虫剤です。

葉菜類、果菜類の育苗期間中は色々な害虫が寄ってきます。

育苗期間中に使える害虫防除剤にはいくつかの種類が有りますが、ミネクトデュオ粒剤は早いタイミングから使用できて微小害虫・チョウ目害虫の両方に対応できます。

ミネクトデュオ粒剤は、アクタラ(ネオニコチノイド系)の成分と、ベネビアODやベリマークSC、プリロッソ粒剤と同じ シアントラニリプロール というジアミド系の成分が混合された薬剤で、ダニは除きますが、アブラムシやアザミウマ、ハモグリバエといった微小害虫から大型チョウ目害虫まで幅広く防除できる殺虫剤です。

ミネクトデュオの商品規格は1Kg、3Kg、12Kgがあります 。
育苗作物が少ない・トレイ枚数が少ない方であれば1Kg、それなりに育苗トレイ枚数がある方は3㎏以上の規格を選んだ方が使い勝手が良いでしょう。

葉菜類は作物種類にもよりますが種まきをして覆土(土をかぶせた)後のタイミングから使う事ができますし、果菜類であれば鉢上げのタイミングから使用する事ができます。

ミネクトデュオ粒剤は効果期間(残効)が長いといった特徴があり、基本的には1回の処理で数週間の効果が持続します。

今回はキャベツ等の葉菜類を例に使用した感じについて紹介してみようと思います。


最新の薬剤登録についてはメーカーさんの商品ページをご確認下さい。


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ミネクトデュオ粒剤の処理方法(キャベツの例)

ミネクトデュオ粒剤は、キャベツの場合、以下3つの処理方法があります。

①:は種覆土後~育苗期後半のタイミングでセルトレイ1枚に対して40g処理する方法。


②:は種時のタイミングでセルトレイ1枚に対して20g~30g処理する方法。

③:定植時の株元散布(1g)処理する方法。

④:地床苗用としては種前に全面土壌混和(1平方メートル12g処理)する方法。

今回は、一番ベーシックな使い方である①の散布方法で試しています。

ミネクトデュオのセルトレイ処理量はこんな感じです↓

1Kg袋を用いて処理できるセルトレイ枚数は、1Kg(1000g)÷40g=25枚。
3㎏袋を用いて処理できるセルトレイ枚数は、3㎏(3000g)÷40g=75枚。


ミネクトデュオ粒剤を処理する為の散布資材について

ミネクトデュオ粒剤は、3㎏規格商品の場合、1ケース6袋入の中に散布用の軽量スプーンが個別に入っています。

バラ購入する場合、販売店さんによっては付いていない場合も有りますが、スプーンが必要であれば声をかけてみて下さい。

果菜類の鉢上げの処理でなら計量スプーンも活用できると思いますが、葉菜類に処理する場合は計量スプーンで処理するのはちょっと手間です。

ミネクトデュオ粒剤は発売当初、散布用の紙パックが有りました。
もしかしたら今はやめてしまっているかもしれませんが、基本的にこちらの紙パックは別途メーカーさんに依頼しないと入手できないので、販売店さんに置いていないかもしれません。
取扱い量の多い販売店だとストックが有るかもしれませんが、欲しいという方は購入先に聞いてみると良いでしょう。



もう少しちゃんとした散布器具で処理したいという方であれば、みのる社製の粒剤散布器などを用いるのも有効です。
メモリを設定すると1トレイに対して均一に薬剤を散布できます。

作付面積が多いとトレイ枚数も多くなりますので、手動で作業するならかなりお勧めです。
プラ製品の場合、お日様が直接当たらないように管理しておけば劣化も遅いのでかなり長く使えますし、1個持っていると色んな粒剤で併用する事ができます。



ミネクトデュオ粒剤を実際に散布してみた例。

さて、実際にミネクトデュオ粒剤をキャベツの「は種覆土後のタイミング」で処理してみました。


粒剤散布器具を使用して播いてみましたが、メモリの調整を失敗してしまいかなり偏りが出てしまいました。
見た目40g以上入ってしまったかな…という感じです。

処理後に潅水したら、少し固まってしまって、余計偏りが目立ってしまいました。
これでちゃんと芽が出るんだろうか…という感じですね。

実際、トレイにのった粒剤はこんな感じの形状をしています。

製剤の特徴として、甘いバニラ臭がします。
農薬は臭いというイメージを持たれる方が多いと思いますし、実際そういった薬は多いですが、ミネクトデュオ粒剤についてはそういった臭いのストレスは感じません。

さて、これでキャベツがしっかり芽出ししてくれるか…という事なんですが、結論として、全く心配ありませんでした。


発芽抑制がかかってしまうんじゃないかと心配しておりましたが、しっかりした発芽で、発芽率に影響もなさそうです。

2成分混合剤の内、片方がアクタラ剤という事で、ネオニコチノイド系の成分を含んでいる為、薬害が起きないか心配な所はありましたが、おかしな萎縮症状や褐変などもなく、この後の成長具合も見ても成長点や新葉への影響は見られませんでした。



コナガ多発条件下では注意が必要かも。

さてさて、2成分剤の内、もう1つの成分がジアミド系の薬剤という事で、コナガの部分が心配な所ですが、同じ成分を用いているベネビアOD、ベリマークSCについては、コナガに対してはある程度有効な薬剤とされています。

しかしながら、今回の薬剤試験では、それなりにコナガの発生が見られる条件下の試験であった事もあり、処理後2週間程度の苗でも食害が見られました。



コナガ特有の薄皮1枚残したような食害痕です。

投下薬剤のムラがあったにしても、自分の中の実感としては処理量が多かったかな?という印象があっただけに、この食害痕はちょっとがっかり。
ただ、動いている幼虫は見られない為、食害の後に死んだ可能性も高いという印象です。
ヨトウムシでも小さい内は薄皮を残した食害をする事もありますので、もしかしたらヨトウムシによる食害も含まれていたかもしれません。

複数のトレイに同じような食害が見られた為、散布した時期の虫の発生量としてはかなり多かったのかもしれません。

これ以上食害が広がらないかを見る事で薬剤効果を追いかけても良かったのですが、思った以上に食害面積が広かったので、この時点で他薬剤の散布に切り替えました。

処理の仕方、潅水の仕方によってもブレがあるのかもしれませんが、コナガやヨトウムシの発生が多く見られる時には注意が必要かもしれません。


発売当初にシンジェンタさんが、どんなタイミングでミネクトを処理しても定植してから3週間まで残効が残る!という話をしていましたが、さすがにそこまでの残効は期待できないという印象です。
薬剤には一番よく効いている時期から効果が落ちてくる半減期というものが存在します。
薬効自体は薄く長く続くのかもしれませんが、一番効果の高い状況のまま定植後までは引っ張れないと思いますので、やはりミネクトは苗時期の管理薬剤として見ておくのが良いかなと思いました。



基本的にはミネクトデュオを処理した効果は十分あります。

上の説明だけだと、「何だ全然使えない薬なじゃないか…」と思われる方が多くなってしまうと思いますので、専業農家の方が処理されている物も拝見させてもらっています。

同時期に処理した物であったり、キャベツ以外の葉菜類で処理した際の様子もアップしておきます。

同じくコナガが発生している地域で処理している物ですが、処理の仕方が微妙に違うのか、あるいは処理後の潅水量ややり方が違うのか、ものの見事にキレイ!という物ばかりです。







上の画像は露地で管理している物も含みますが、基本的には薬剤効果はしっかり有るようです。




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ミネクトデュオ粒剤を処理するにあたっての注意点。

ミネクトデュオを処理するお勧めのタイミングは、苗時期を徹底管理するという意味で見ると、は種覆土後(種まきをして覆土をしてから)の処理が一番お勧めだと私は思います。

ただし、非結球レタスにおいては、育苗期後半という登録内容になっています。
メーカーさん側で安全策をとっているのかもしれませんが、非結球レタスについては「は種覆土後」のタイミングではなく、芽が出てから「育苗期後半」という登録内容になっています。

レタスの場合、覆土を行わずに処理した場合に激しい生育抑制がかかったという事例があります。
また、過剰に潅水した場合も、薬害を助長するという事例もあります。


「リーフレタスは除く」という事になっていますが、心配な方は、は種覆土後からのタイミングではなく、芽が出てからの使用をお勧めします。

発芽後の作物に処理する場合は、粒剤が成長点、新芽部分に残らないように、処理をしたら軽くはらって粒を落とすようにしてください。


ミネクトデュオ粒剤は非常に水に溶けやすい農薬ですが、成分の一部にアクタラを含んでいますので、薬剤による焼け症状を回避する対策として個人的にはこのやり方をお勧めします。
そして、処理する際と処理後の温度が高温時に当たらないよう配慮して下さい。


一応農薬ですので、高温時の使用というのは農薬全般的に良くないとされています。
薬害に限らず生理障害等を助長する可能性も有りますので、できるだけ涼しい時間帯に処理して潅水する場合も涼しい時間帯の内に溶けた薬液が乾くように配慮して頂けると良いと思います。


ミネクトデュオ粒剤は適用拡大で使い勝手が良くなっています。

最新の登録内容はメーカーさんの製品ページをご確認下さい。

今回は育苗期中の管理対策として紹介していますが、定植前に処理する方法も有ります。

コスト的には高い薬剤かもしれませんが、生育期中のネキリムシ対策剤やハモグリバエ対策剤としては重宝するでしょう。


ハチに対する影響日数について

果菜類を生産されている方で、ハチを導入されている方はご注意下さい。
2019年9月時点でのハチに対する影響日数は以下のようになっています。

マルハナバチ:定植14日~21日後
ミツバチ:定植20~30日後


ミネクトデュオ粒剤処理後のハチの導入安全日数は、処理時期にかかわらず定植後からのカウントになります。

鉢上げ時のタイミングで処理したとしても、マルハナバチであれば定植後14日~21日を経過してからハチを導入して下さい。

同じく、定植7日前に処理をしたとしても、マルハナバチであれば、定植後14日~21日を経過してからハチを導入して下さい。

影響日数はあくまで目安となります。
農薬の登録内容や注意点は不定期に更新される場合が有ります。
上記の日数は参考程度と見て、使い慣れていない方は十分注意と余裕をもってハチの導入を行って下さい。



まとめ

ミネクトデュオ粒剤は、育苗期中の害虫からの加害を防除する薬剤として有効な薬です。

処理量であったり潅水の仕方で多少ブレも出るかもしれませんが、基本的にはしっかりとした効果が期待でき、効果期間も長い事から、育苗期に使う殺虫剤の回数を減らす事ができます。

登録の幅も広がっており、ますます使い勝手の良い薬剤になってきました。

今回、果菜類の使用実例は載せておりませんが、ナスなどに使用した場合、定植後でもアブラムシやアザミウマの発生が見られませんでした。

もしかしたらチョウ目よりはアブラムシやアザミウマの方がよりはっきりした効果がでるのかもしれませんが、これはまた別の機会にご紹介したいと思います。


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