アグリポイント ~農業現場の病害虫・栽培問題対策室~

一畝・一反・一町・アール(a)・ヘクタール(ha)・㎡・坪…… わかりにくい農業面積用語についてまとめます。

農業用面積についてのまとめ アイキャッチ

〇畝、〇反、〇町、〇アール、〇ヘクタール、〇㎡、〇坪という表記は、農業場面でよく使われる言葉です。

特に10アール(10aとも表記されます)は、農薬や液肥の登録内容の基準値となっています。

10アールに満たない畑であれば、「うちはだいたい五畝(ごせ)くらいだな…」とか、逆に大きい圃場をお持ちであれば、「キャベツを作ってる畑は三町(さんちょう)くらいあるかな…」とか………農業現場では日常的にそんな話が出てきます。

例えば販売店さんの新人さんであったり、新規に農業を始めようという方であったり、聞きなれない方だと「畝(せ)って何?」「町(ちょう)って何??」となってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?


これらの畑の面積(広さ)の呼び名は、使用する農薬や液肥の本数(薬量)が変わってくるだけでなく、作付する際の基準にもなる為、一番最初に覚えておくと良いでしょう。

今回は、これらの農業面積用語(呼び名)についてわかりやすく紹介していこうと思います。

スポンサーリンク
Amazon:「測量」で検索



まずは1アール(1a)を基準として覚えましょう

1アール(1a)とは、1辺が 10 メートルの正方形の面積の事を指します。

これを㎡(平米)で表すと………

縦10m×横10m=100㎡

となります。

これを基準とすると、10アールは、10m×100m=1,000㎡という事になります。


これはメートル法による考え方で、長さや面積などの単位系の一つである尺貫法の値とは若干異なりますが、農業現場では10アールという表記が一番使われますので覚えておくと良いでしょう。



一畝(ひとせ)はどのくらいの面積??

次に「畝(せ)」についてですが、一畝(ひとせ)の「畝(せ)」は、先のメートル法とは異なり、長さや面積などの単位系の一つである尺貫法における土地の面積の単位の事を指します。


日本における一畝(ひとせ)は、99.174~(約99㎡)です。
坪(つぼ)で考えると、一畝=30坪となります。


この値は1アール(100㎡)と非常に近い為、農業現場ではざっくりと一畝(ひとせ)の事を1アール(1a)として計算しています。

五畝(ごせ)であれば、5アール(500㎡)、十畝(じゅっせ)であれば10アール(1,000㎡)と同じくらいの面積として考えます。


日本では、計量法により、1958年12月31日限り(土地と建物の計量については1966年3月31日限り)で取引や証明に尺貫法を用いることは禁止されました。
現在の計量は、メートル法が用いられています。



一反(いったん)や一町(いっちょう)はどのくらいの面積?

農業現場では、一反は10アールと同一面積という考えで扱われています。


メートル法だと、1アール=100㎡

「1アール=一畝と同じ考え」となっていますが、尺貫法だと、全く同じ面積ではありません。
厳密には一畝=約99㎡となります。


メートル法を基準とした場合、農業現場では「10アール=一反」という考え方になりますが、尺貫法だと一反は十畝ということなので、約99㎡×10=約990㎡となります。

坪で考えると一畝が30坪なので、一反は300坪になります。



一町(いっちょう)は、「一反×10の面積(10アール×10の面積)」という考え方になります。

一町はメートル法で考えると「1ヘクタール(1ha)=約10,000㎡」となりますが、尺貫法だと99,000㎡となります。
坪で考えると3,000坪です。


う~ん…  メンドクサイし良くわからないですよね。

まとめましょう↓

まとめ

要約するとこのような表になります。

尺貫法は現在の世の中では使えない事になっていますので、基準はメートル法(アールとかヘクタール)です。

農業現場では、左から右にかけて、厳密には違いますが「同じくらいの広さ」として扱われています。

ざっくり、一畝は1アールと同じくらいの面積で100㎡くらい。
坪で見たら30坪!という具合です。

一反は10アールと同じくらいの面積で1,000㎡くらい。
坪で見たら300坪!という具合です。


例えば農薬で、希釈倍数が1,000倍で、10アール当たりの水量が100Lと書かれているA乳剤という500mlボトル規格の商品があるとしましょう。
ここで表記されている水量100Lは、希釈液を作る為の必用水量です。

500ml(農薬)×1,000倍=500,000ml(リットルに直すと ÷1,000で500L)となります。
500mlボトル1本で500L分の希釈液を作る事ができます。

10アール当たりの必用水量が100Lという事ですので、500÷100=5という事になりますので、A乳剤1本で50アール分(五反分)使う事ができるという事になります。

農薬の希釈倍数や計算方法については過去記事で取り上げていますので、関心が有りましたらチェックしてみて下さい。


最近の農薬は、10アール当たりの水量が100~300Lというように幅をとった表記となっている物が多いです。
一般的に、何も植わっていない畑に対して散布する場合は、10アール当たり100Lでの散布が基準となります。

しかしながら、作物は生育ステージによって大きさが異なりますので、作物の丈(高さ)に合わせて水量を調整する必要があります。

この辺りの内容については、日本農薬㈱さんのHP上で詳しく明記されています。
非常に参考になりますのでチェックしてみて下さい。


スポンサーリンク
Amazon:「農業 資材」で検索



モバイルバージョンを終了